東京ジャズ 15周年2016年09月11日

 15回目、なんだね。
 バブルの崩壊を受けて、マウントフジやライブアンダーとかの、大物アーティストをたくさん呼ぶジャズフェスが姿を消して。
 スイングジャーナルも廃刊になった今、CDの通販サイトは昔の音源のアナログ復刻とかばっかりで、大阪に住んでいる僕としては、ビルボードライブ大阪から送られてくるライブスケジュールくらいしか、今のジャズの情報がないんだよね。

 そんな中で、いつもテレビ放送を楽しみにしている東京ジャズ。

 新聞によく載る広告を、羨ましく見てるんだけど、今回はあまりに面白そうだったから、行ってきちゃったよ。

 あんまり書くともったいないので、簡単に感想を書いておくね。

 最初は、小曽根。
 とはいえ、小曽根は一音も発していないのだけれど。
 小曽根が4音大から選んだ選抜メンバーのビッグバンドと、アメリカの音大、バークリーではなくジュリアードから連れてきたコンボの共演。
 最初はみんな固くって、本当に学祭のジャズ研レベルだったのだのだけれども。そのうちほぐれてきて、見えるようになってきたのが、日米の主食の差。
 肉食のアメリカ人と草食の日本人、っていうことなんだけどね。
 受けるためにはなんでもやる、自分の持っている武器をあの手この手で繰り出して。そういうアメリカ人に、なんか自信なさげで、順番だけこなせばいいや、っていう日本人。ジャズ好きなら、もっと頑張ってよね。
 ちょっと欲求不満。

 次は、寺井尚子。
 僕は、メインのミュージシャンの名前だけを見て、行くことを決めたのだけれども。それぞれのプログラムには、全部じゃないかもしれないけれど、サブタイトルがあってね。寺井さんのセッションのタイトルは、なんだっけ。
 タンゴミーツジャズ、みたいなやつなんだよね。
 アルゼンチンタンゴのバンド、バンドネオンが入ったカルテットに、寺井さんがゲスト出演、っていう感じで。
 バンドネオンって、ボタンを押す、ちっちゃいアコーデオンみたいな楽器でね。タンゴの、あの物悲しい、キレの良い音を出すんだけど。
 それに比べると、ヴァイオリンっていうのは、音色そのものに色気があってね。バンドの音が全く変わっちゃうんだけど。だけど、ヴァイオリンとバンドネオンは、なかなか並び立たないなあ。バンドの中の役割、っていうか立ち位置がおんなじだからなのかなあ。
 とか思いながら、圧倒的に気持ちいい音楽と、5時半起きビール飲みまくりのせいで、心地よくウトウトしちゃったよ。
 休憩セット、これだけなんだもん。

 そして、昼の部最後は、ハービーハンコック。
 ちょと前に大阪にもきたんだけどね。ビルボードで37000円。ショーターとのデュオとはいえ、ちょっとで手が出る値段じゃないよね。
 ということで、マウントフジ、あるいはライブアンダーのVSOP以来、ともかく四半世紀ぶりの、ハービー。
 もう。
 ハービーが動いてる、ってだけで大満足なんだけどね。
 ピアノとキーボード、ショルダーキーボードやボコーダーを持ち出して、カメレオン、ウォーターメロンマン、そしてアコースティックのカンタロープとか。懐メロ、あるいはそのフレーズをちりばめて。
 楽しく聞きながら、僕の好きなハービーは、ここにいるんだろうか、ってちょっと思ったよ。

 もちろん、ハービーは60年代から常に最前線で活躍して、あの偉大なマイルスが足元にも及ばないようなセールスを記録しているミュージシャンだから、いろいろな側面があるのだけれど。
 前日、ハービーってどんな曲作った人?っていう家人に、カメレオンとかスイカ男とか口ずさんでみたけどまったく通じなくって、処女航海を説明するために今夜は最高のジャズオペラを、結局全部見せてしまったのだけど。
 でも、そのどれもこれも、これがハービー、ではないんだよね。僕にとっては。
 僕にとってのハービーは、なんだろう。
 VSOPであったり、マイルストリビュートやブートレグのnyライブであったり。もちろんプラグドニッケルであったり。
 テンションの高いライブでの、アコースティックピアノでの、どこまでも行っちゃって帰ってこない、そいういうソロなんだろうな。
 上原ひろみとかとは全然違う次元で、ちょっと聞いただけでハービー以外にいない、ってわかる。そういうソロ。
 そういうのが、聞きたいよね。やっぱり。

 そういう意味では、わりとアコースティックっぽかったカンタロープの、ソロの1フレーズ。それが一番だったのかな。身体が騒いだのは、アンコールのカメレオンだったけどね。

 っていうわけで、わりと押して終わったお昼の部。1時間ちょっとのインターブレイクで、夜の部突入だから、ここで食べ物とアルコールの補充。
 とはいえ、アルコールは大阪の空港から飲み続けなんだけどね。
 中庭でやっているアマチュアのビッグバンドの熱演をBGMに、キューバ料理っぽい屋台に並んで、ジャガイモとチキンと。飲み物はもちろんミントいっぱいのモヒートで。
 座るところないから、おばちゃんが二人で座っていた丸テーブルに、食べ物だけ置かせてもらって。
「なんか急に混んできたね?」
「今、ホールが終わったんでお客さんが出てきてるんですよ」
「ホールでもやってるんですか? 誰出てたんですか?」
「ハービーハンコックとかですよ」
「え、ハービーハンコック? そんな有名な人きてるんですか」
「そうですよ。僕なんかこれ観に大阪から来たんですよ」
 とかいう会話を楽しんで。
 たまたま通りかかった、ちょっとジャズが好きな人にとっては、この、屋台と人がいっぱいで特設ステージからジャズが聞こえてくる、国際フォーラムの中庭が東京ジャズ、なんだね。
 渋谷に引っ越しちゃうなんて、もったいないなあ。

 というわけで、お腹もいっぱいになったところで、後半戦、夜の部。
 メセニーとクリスチャン。
 メセニーは、マウントフジが横浜だかの屋内コンサートになった時に見たのかな。山中湖でも一回来たっけ? 大学ジャズ研の時にふぁーすとさーくるとか80・81とか流行ってたけど、その頃は爽やかな音楽ってあんまり興味なくって、素通りしてたんだよね。ちょっと後のジョンスコとジョーロバーノだったっけ、あのバンドの方が好きだったなあ。

 というわけで、メセニーなんだけど。
 ウッドベースとのデュオで、アコースティク系のギター3本を使い分けるメセニー。これがいいんだよね。ロンカーターとジムホールみたいで。
 あまりに丁寧に刈り込まれた盆栽を愛でている感じで、本当に気持ちよくウトウトしちゃったよ。
 あ、めちゃくちゃ褒めてるんだけどね。

 そして、その次。
 多分、知名度から行ったらこの日のダントツワースト1なんだろうけどね。キューバのピアニスト。
 キューバの音楽って言ったらそれはもうすごいし、ゴンサロちゃんだっているから、僕的にはものすごく期待してたんだけどね。

 そして。
 いやあ。楽しかったなあ。
 ピアノはね、パーカッシブな情熱系ピアノ、っていうことでは、ゴンサロちゃんや、みしぇるかみろ、上原ひろみとかよりインパクトには欠けるなあ、と思って見てたんだけど。
 何よりも、このバンド。
 ベースが、変態。超変態。
 セネガル人のエレキベースなんだけど、暴虐無人、KY。前後のつながり全く無視して、全く違うテンポのおかずを入れまくって強引に曲を変えてみたり、ピアノより指回るんじゃないか、っていうチョッパーソロを入れてみたり。
 ピアノの弟でこれも元気のいいたいこと合わせて、サイモンフィリップスが二人いる上原ひろみトリオみたい。誰も苦笑いしながら後ろから支える、とか考えないの。やりたい放題。
 ジャンルは違うけど、マイルス黄金カルテットの時のやりたい放題感ってこんな感じだったのかなあ。まあ、ただただ楽しくって大笑いしてただけなんだけどね。

 あんまりお腹の皮よじれちゃって。
 次はトリのナベサダなんだけど。心の準備ができないまま、ハイボールだけ飲んで突入しちゃったんだよね。
 これもマウントフジ以来、25年ぶりくらいのナベサダ。あの頃から伝説の巨匠だったけど、まだまだ現役なんだよね。

 ナベサダバンドは、ルーニーとかアメリカのバリバリミュージシャンいっぱいよんで、bebopナイト。
 そうだね。ナベサダは、bebopを日本に持ち込んだミュージシャンなんだよね。多分。

 ジャズっていう音楽は、時代とともに形を変えていく音楽で。bebopっていう肉食系の音楽や、それに使われていたフレーズは、ハードバップからモード、スムースジャズとかどんどん草食系になってトゲトゲ感が薄れていくんだけど。
 ナベサダのbebop、かっこいい。
 横にいるのがマイルスの物真似で世に出た(嘘だけど)ルーニーだったこともあって、それはもろにパーカーフレーズ。

 bebopって、基本的にはバンド内バトルの音楽なんだよね。誰が受けるか、誰がもてるかをバンド内で競うために、テンポは早く、メロディは複雑で、ソロは、あるものは溢れるブッ速フレーズで勝負して、あるものはハイトーン、ビッグトーンで勝負して。負けたらすごすご引き下がる、っていう、そういうバトル。
 ナベサダのbebopには、そういう匂いがプンプン残っていて。ハードバップの曲だと単なるジャムセッションになっちゃうんだろうけど、いいなあ。bebop。
 小曽根の草食系バンドの人たち、見てたかな、これがジャズだよ。

 ああ、楽しかったなあ。
 久しぶりに、思う存分ジャズ聴いたよ。

 ただ、それだけのはなし。

北方謙三、大水滸伝、完結!!! 〜岳飛伝、最終回〜2016年01月20日

 ついに。

 この日が、来たね。

 

 北方謙三の大水滸伝。最後を飾る、岳飛伝。完結。

 あ、小説すばるの、雑誌の連載の方ね。単行本は、もう少し後。

 


 僕は、この岳飛伝、小説すばるを年間購読して、毎月楽しみにしていたんだよ。

 もちろん、北方謙三の○○伝っていう物語の、終わり方はひとつしかないのだけれど。そして、その終わりが近づいているのは、それはもう、ひしひしと、ひしひしと感じていたのだけれど。

 

 でも、先月。

 来月最終回、っていう予告を見て。

 やっぱり、淋しかったんだよね。今月号が届くまでの一月。

 雑誌が届いたら、すぐ読むのかな、それとも、しばらくは飾っておくのかな、って。いろいろ考えてもみたのだけれど。

 結局は、届いた次の日の、東京出張の新幹線の中で読んでしまったんだよね。

 

 岳飛伝。

 水滸伝、楊令伝と続いてきた、北方謙三の大水滸伝の完結編。

 水滸伝は、もちろん有名な中国の物語なのだけれど。

 キャラクターとそれにまつわるエピソードだけが重要で、まとまったひとつのお話、という訳では無かったこの物語を、血湧き肉躍る革命の物語として我田引水した「水滸伝」。

 完全にオリジナルの物語として、祭りの後始末と、破壊の跡の構築の孤独を描いた「楊令伝」。

 実在の人物岳飛を使って、虚構と史実の狭間に、伝説から歴史へと移り変わる人たちの人生の決着をつけ続けた、「岳飛伝」。

 

 すごい、力業を、成し遂げてくれたよね。

 

 水滸伝を貫いた、宋江が作った替天行道の旗と志。

 楊令が背負わされた、その旗と志は、血が騒いで参加した単純で若い革命戦士の意図から離れて、もっとぶっ飛んだ、でも見た目は地味な形に変わっていって。

 楊令亡き後、革命戦士の二世たちが、親世代の背中を見ながら、志を自分なりに消化し、英雄たちを語り継ぎながら、新しい世界の形を作っていく。岳飛伝。

 

 その軸を通すのは、もちろん。

 楊令に子供扱いされていた岳飛ではなく。

 誰よりも死に場所を欲しがって、誰からも与えられない九紋龍。

 生ける伝説、湖塞の最後の生き残り、九紋龍史進。

 その生き様が、僕の中では、岳飛伝の大きなテーマであり、それはそのまま大水滸伝の軸、なんだよね。

 

 まだ、単行本が発売前だからね。

 その結末は、お楽しみに。

 

 今は、ただ、満足感と喪失感に浸ることにするよ。

 

 王進と林沖から始まった物語。最初から読み直すのも、いいな。

 

 ただ、それだけのはなし。



都構想と、北方水滸伝2015年05月19日

 さて。

 何から書いたものだろうね。

 

 大阪都構想。負けちゃったね。

 静かにメタンガスを吐き出しながら、ゆっくりと朽ちていく地上の楽園、おおさか。その大阪に突如湧いて出た、つむじ風。

 知名度だけを頼りに、徒手空拳で府庁に乗り込んだやんちゃ坊主。人と喧嘩するたびに勉強して。熱狂を生み出して。仲間を増やして。

 いつの間にか、強大な勢力と明確なビジョンで政策を語るようになった頃には、ふわっとした民意が必ずしも味方にばかりなった訳ではなくって。

 

 それは、改革者なんかでは全くなく。

 あくまでも破壊者であり、よく言って革命家。

 そう。

 橋下徹は、大阪市をぶっ壊して、革命を起こそうとしたんだよね。

 

 僕はね。

 実は、橋下徹に票を入れたことが、ないんだよね。一回しか。

 最初はうさんくささと、大阪らしい有名人だからこその盛り上がりに辟易してね。そして、強圧的な橋下に票を入れた、と後世の自分の良心から責められるのが怖くて。

 棄権したんだよね。知事選を。

 市長選もそうだったな。一度目は。

 二度目の市長選、シングルイシューのみそぎ選挙。この時には、彼のやろうとしていることが大分見えてきて。そして、判官贔屓を刺激されるほどに弱って見えたから、不覚にも票を投じてしまったのだけれどもね。

 

 都構想。

 このままでは、居心地は良いけれど、ゆったりと将来はなくなっていく。

 だから、そのしくみを覆さなければいけない。そう志を持った一派と。

 これまで続いてきた大きなしくみ。それ自体の自己保存欲。変わる事への忌避、ためらい。より明確な既得権益を持った多数派が、正面から力比べをして。

 

 そして。

 負けたね。

 

 

 僕は、僕の大好きな革命の物語と、幸運なことにその渦中に居合わせた現在の革命の物語を、重ねていたんだよ。

 

 橋下徹は、「北方水滸伝」の中の、誰の役を演じたのだろう。

 

 北方水滸伝ってね、北方謙三の描く、水滸伝を発端とする、壮大な物語。今でも続いているのだけれどもね。

 政治に不満を持つ荒くれの若者が結集して、力を蓄え、遂に国を滅ぼそうと最終の大決戦を仕掛けて。そして派手に負ける「水滸伝」。

 梁山湖の敗戦のあと、力を蓄えて宋を斃し、革命は成就したけれど。そのあとのことを考えるリーダーが苦しむ「楊令伝」。

 伝説は又聞きの想い出話になって、志は個人に応じて形を変える。伝説と歴史の狭間の、死にきれなかった人生はどこに行くんだろう。まだ連載中の「岳飛伝」。

 全50巻で終わるかどうか分からないけどね。壮大な、革命の、破壊と後始末の、物語。

 

 この中でね。橋下都構想の大戦(おおいくさ)は、どこに位置するんだろう。

 橋下徹は、晁蓋なのか、宋江なのか。はたまた楊令なのか。

 圧倒的な力強さと、人を引き寄せる魅力を持ったリーダーでありながら、人を集めた所で逝ってしまった英傑「晁蓋」。

 人々の哀しみを見つめ、志を文字にし、梁山泊のシンボルであることを肯んじた「宋江」。

 敗戦のあと、リーダーに担がれ、破壊後の構築に一人で向き合った孤独なリーダー「楊令」。

 

 やっぱり、大盛り上がりの大戦。最後に負けたところで自決した宋江、っていうことになるんだろうね。

 破壊者橋下の、面目躍如、だね。

 

 そうするとね。

 一つ疑問があるのだけれど。

 

 橋下徹は、都構想が成就した時の、その後のビジョンって、持っていたんだろうか?

 飛龍伝でヒロスエが言っていた通り、革命家は、革命が成就した時には素早く身を引かなければならないんだよね。なぜなら、その後の構築と統治は、別の個性が得意とするものだから。

 チェ・ゲバラのようにね。(カストロではなく)

 

 だから、もしかしたら。

 都構想が勝っても負けても、橋下はやめる準備をしていたのではないかなあ、と思うんだよね。

 だから、壊すだけ壊して、あとを託す誰かを準備していたのなら。

 壊しきれなかったけれど、十分に弱体化したオオサカを、中途半端な構築だけれども、志と方向性を受け継いで、これから育てていく。

 橋下のあとに求められている個性、楊令のような存在を、ぼくらに示して欲しいなあ。

 

 ああ。北方水滸伝、また読みたくなっちゃった。

 

 北方謙三の水滸伝、読んだことのない方、ごめんなさいね。全く訳分からない文章だったね。

 でも。

 読んだことのないのは、人生の損失だよ。

 かっこいい漢の、生き様と死に様にどっぷりと浸りたい人。是非、北方水滸伝を手に取ってみてね。

 10ページ読んだら、もう、やめられなくなるよ。

 

 ただ、それだけのはなし。



優柔不断のクルマ選び 番外編 〜アクセラセダン、3日乗り〜2015年05月10日

 このごろの、マツダの車ってかっこいいよね。アテンザから始まって、アクセラ、デミオ、そしてロードスターとCX-3にいたるまで、思わず一目惚れしちゃうカッコ良さ。

 カーグラTVとかでも、ほぼべた褒めのコメントばっかりで、どんだけ良いんだろう、って思いながら、乗る機会がなかったんだよね、いままで。前のアクセラに、少し試乗しただけで、5年振りくらいの、マツダ車。

 だから、っていう訳ではないけれど、GWに、レンタカーを借りて、九州の南半分を走り回ってきたよ。

 

 宮崎駅近くのレンタカー屋さんで借りたのは、アクセラのセダン。スポーツを予約したつもりだったのだけれども、その違いは指定できないみたいだね。

 もちろんレンタカーだから、1500ccの一番下のグレードにカーナビだけついたやつだったのだけれども。

 それでも5ナンバーのハッチバック乗りからしたら、3ナンバーの堂々としたセダン。排気量だって、1400ccの僕のクルマより大きいんだよね。どんなんだろう。わくわく。

 

 おっきなトランクに、旅の荷物を詰め込んで。運転席に乗り込んで一番。

 「すげー」

 何がすごいってね。なんだろう。

 銀色の車体のオッサン臭さからは想像もつかない、広さとか、スポーティさとか。何せ、良っコラ書って乗り込む椅子の低さは、うちのPolo GTIよりも確実に低いんだよ。内装は、車雑誌なら「質感の高さ」って言うのか知らんけど。もちろん、裸仕様だから、ハンドルもギヤもプラッチック張りなんだけど、そんなこと気にならない。座面の低いバケット系の椅子によっこらしょって乗り込んで、左側すぐにあるハンドブレーキを見たら、それは、オッサンセダンではないよ。(ってオッサンセダンではないのだけれどもね、アクセラは。ただ、銀色の車体がどうにもオッサンだっただけなんだよね)

 

 いまどきのクルマは、カーステにBlue toothがついていて、iPhoneとの連動もすぐ出来るし、USB充電もそのまま出来る。ただ、センターコンソールの小物入れのトレイには、6Plusはでっかすぎて乗らなかったけどね。それはこちらのせいです、ごめんなさい。

 


 見てわくわく。乗ってびっくり。そして、走り始めたら。

 走り始めたら。おお、これはすごい。

 何がすごいって、なんだろう。動かしやすいんだよね。

 フロント左の角に、目印のポールが立っているおかげか、車幅の見切りがしやすくて、重たくはないけれど軽すぎないハンドルを切ると、思った分だけスッと曲がる。おしりの後ろに回転の軸がきちんと伝わってくるし、こつこつしない程度に路面のでこぼこも伝えてくれる。

 楽しい。

 なんだろう。エンジンの割に、そして僕が慣れているのよりおっきなボディなんだけど、そんなことを全然思わせない。

 左側5センチまでは、楽に寄れる。

 安心して、アクセルもブレーキも踏める。

 もちろん、エンジンは111馬力、14.7kg位で非力なんだけどね。結構上まで廻しても、そんなに苦しくない音できちんと回ってくれるし。何より山道でも安心してべた踏みできる。まあ、べた踏みしてもそんなには走らないんだけどね。

 でも、そんなことが全然気にならないくらい、思い通り感がすごくって。

 あ、このエンジンって、ロードスターに積むエンジンなんだよね。チューンは違うみたいだけど。高速の追い越しとかは難しいけど、ある程度の回転数を保って、山道でギア変えながら踏み込んでいくのは、楽しいだろうなあ。にやにや。

 

 このクルマに、もう少し力強いエンジンで、しかもMTだったら、どうなるんだろう。

 わくわく。

 そんなことを考えちゃうような、クルマだったよ。

 

 気になったところもあるんだけどね。一つだけかな。今思い出せるのは。

 それは、椅子。

 オッサングレードとは思えないほど、スポーティっぽいデザインの椅子なんだけどね。背中をべったり押しつけて座ると、少し猫背になるのかな。いろいろ動かしてみたのだけど、ベストポジションが決まらないんだよね。腰と背中だけなんだけどね。ちょっと気になったな。

 


 結局、3日間で750kmくらい走って、燃費は14.4km/lくらい。19.6km/lのカタログ値から考えると、ちょっと物足りないけれど、まああんまりおしとやかなだけじゃなかったからね。

 うちのPoloとほぼ同じ燃費だけど、こっちはレギュラーだから、少し経済的、なんだね。

 ああ、面白かった。

 あ、千里のマツダには、ディーゼルのMTの試乗車があるんだ。ちょっと乗りに行ってみようかな。

 

 

 今日、うちのPoloに帰ってきてはじめて乗ったのだけど。

 いやあ、固いクルマだね。

 ハンドルも重ければ、アクセルもブレーキも、アクセラのようにアバウトには操作できない。路面のでこぼこはそのまま伝わるし。うるさいし。

 この前のCGTVで松任谷さんが、Poloを「さすがに時代を感じる」って行ったのはこのことなのかな?(S1と比べて、ね)

 でも、この椅子の座り心地と、暴れ馬と会話しながら走る山道は、楽しいんだよね。

 今日は、暗峠でつかれたけれど。

 

 ただ、それだけのはなし。



脳内妄想実現化!! 〜MTの86レンタカー〜2015年01月09日

 あ、年が変わったね。

 あけましておめでとうございます。

 今年もよろしくお願いします。今年は、月一、コンスタントに行きたいのだけれども、まあ、ネタは相変わらず、ぼちぼちと行きます。

 

 っていうお正月っぽい枕のあとに、年末のネタ、なんだけれど。

 

 金融産業に勤める家人は、年末のお休みも市場通りでね。製造業の僕は、もう少しお休みが長いから、平日に一人取り残されることになるんだ。毎年。

 掃除とかいろいろ言い渡されるのだけれどもね、なんとか逃げる事を考えて。

 

 むふふ。

 乗り回してきたよ。

 MTの86。

 BRZでないところは、ちょっと残念だけれど。

 


 このごろ、脳内妄想クルマ選び、っていうシリーズ(?)を開始したのはいいけれど、全然後が続かないんだよね。いろいろ考えているのだけれども、やっぱり脳内妄想(試乗しないで書く、っていうのが自分の中でのお約束)は行き詰まるんだよね。

 

 僕は、今までずっとMTの車に乗っていて、今のPoloが初めてのオートマ、DSGなんだよね。DSGは、シフトもかちっとして早いし、パドルシフトで思う通りのギアを選べるし。何より、MTよりもなめらかで燃費も良くって、しかも速い。

 それはよく分かるんだけれどもね。

 でも。

 Poloが良く出来たクルマであればあるほど。オートマ車って言うのは、そのオートマの味付け次第で、フラストレーションがたまるんだなあ、って、思うんだよね。

 燃費重視のDレンジでは、2000回転に行く前にシフトアップして、1500回転で走るPolo。Sモードにすると、いきなり2速5000までシフトアップしないPolo。

 僕は、3000でシフトアップして、2000以上で走りたい、それだけなのに、それはPoloには(そのままでは)望めないんだよね。

 

 だから。

 ロードスターとか、S660とか。AUDIのS1とか。MTで元気の良さそうな新車の発表を見るたびに、いいなあ、って。

 日ごとにMTへの郷愁は募るんだけれどもね。

 じゃあ、今、MTを運転できるんだろうか、俺。

 この、DSGになまった身体で。

 っていう不安も、募ってくるんだよね。

 

 脳内妄想するにも、MTが運転できない身体になっていたんじゃあしょうがない。そう思ってね。MTのレンタカーを探したんだよね。前に一度探した時には、新開地まで行かないと無かったのだけれども。

 なんと、梅田のトヨタレンタカーで、MTの86貸してくれるんだ。

 年末の、僕が休みの平日。その一日しか候補がなかったのだけれども、その日運良く空いていて。しっかり予約したよ。12時間コース。

 さて、どのくらいなまっているんだろう。僕のMT感。

 

 桜橋ボウルの下のレンタカー屋さんで、黒く輝くエアロばっちりのTRD仕様の86を受け取って。こわごわ発進してみたら。

 ありゃりゃ、1速でがくがく。左足つらい。こんなに下手なんか、俺。

 そう思いながら、駐車場のゲートバーを通るために車を止めたら。

 ストン。

 あ、停まる時はクラッチ切らなくっちゃいけないんだった。

 

 大丈夫、大丈夫。深呼吸して。リハビリだから。

 

 街中は発進がつらいから、早めに高速のって、お山にあそびに行こう。その頃には、きっとMT感も取り戻してるさ。

 という訳で、ナビを六甲山頂にして。阪神高速に乗ったんだよ。

 六甲は、雨が止んだばっかりのハーフウェットでね。平日だからそんなにクルマが多い訳じゃないって言う、走るにはもってこいのコンディション。

 

 しかし。

 2リットルNAの水平対向。良く回るね。六甲くらいの峠だと、2速と3速でほぼ全て用が済んじゃうから、恐れていたほどシフトチェンジでばたばたすることもなくて。

 気がつけば6000近くまでヒュンヒュン回るエンジンは、試乗の時に気になった、人工的なエンジン音も気にならず、控えめに良い音させてくれて。これってホントにボクサーエンジン?何しろ、不等長たこ足の時代しか知らないからね。僕。

 

 実は、はじめてなんだよね。

 FRちゃんと乗るのって。いや、学生の頃良く借りだした友達の親のソアラはFRだね。でも、MTのFRは、学生の頃試乗したS15シルビア以来、かな。まあいいや。

 このごろ、また、読み返してるんだよね。頭文字D。iPadで遊んでいるレースゲームも手伝って、FRのイメトレはいっPAIできてるんだけれどもね。

 

 っていう訳で、ブレーキ残しながらハンドル切ってみるとか、立ち上がりに少しアクセルたくさんあけてみるとか。

 そうやって、後ろがずりずりしたり、TCSのインジケーターがついたりするのを、雰囲気だけ愉しんでいたのだけれど。

 

 いやあ。

 面白いな。

 そうそう、3ナンバーボディもはじめてなんだけれどもね。ボンネットの向こうで盛り上がるタイアハウスのおかげで、車幅感覚は見やすいし、思った通りに曲がるから、安心して愉しめるんだよね。

 まあ、結局コーナーの前でABSがちょっと効くくらいにブレーキ踏んで、立ち上がりはTCSだよりで早めにアクセルあけて。ちょっとだけずりずり感を愉しむ、っていう、雰囲気重視の走りに徹していたのだけれども。

 レンタカー屋さんのあんちゃんに、TCSの切り方教えてもらったけれど、ここではちょっと切れないなあ。こわくて。

 

 いつものっているのが、頑丈なドイツのクルマの端くれだとね、ちょっとびっくりすることもあったんだ。

 クルマが段差を乗り越えたりするとね。ルームミラーの視界が乱れるんだ。ガラスから生えているミラーが揺れるみたいなんだけどね。うちのPoloではそういうこと気がついたことがなかったからちょっとびっくり。Poloは天井から生えているのかな、と思ったらそうでもなくてね。まあ、86は車幅が広い分ガラスも広いから、かな。

 ボンネットの、運転席から見える端っこも、何となくぶるぶる震えてるみたいな気もしたんだけれどもね。これは、ボンネットカバーにえせカーボンのシールを貼ってるせい、なのかな。

 気になること、まとめて書いちゃうと。

 MTはかちかち決まって気持ちいいのだけれど、3速から2速に落とす時に、ずいぶん向こう側に押しやらないといけないんだよね。気分的に。左手で払うだけだと、3速から4速に入る事が多くって、出口でいきなり減速、みたいなことになったこともあったよ。これは慣れ、なんだろうけれどもね。

 あと、ニーパッドは欲しいなあ。買ったら入れよう、っと。

 あ、買うつもりは、買う予定は、無いけれどもね。今のところ。

 

 さて。

 六甲を何往復かして。

 二度山に抜けようかと思ったら、なんか事故車が道をふさいでいて。Uターンしたら、慣れないナビは、いつまでたっても引き返せってうるさいから、二度山をあきらめて。

 今度は奈良に向かったんだよ。

 

 奈良の山道を、景色を見ながらゆっくり走ろうかな、ってね。

 それは、無駄だったけれど。

 だって、運転が楽しいんだもの。

 

 有料の山道の、時々舗装されてないところなんかも、ちょっとずつ雰囲気を愉しみながら、堪能したよ。

 

 あれ、いつの間に。

 出発でがくがくしたとか、停まる時にクラッチ踏み忘れたとか。

 そんなの、いつのことだったんでしょう、っていうくらい、身体に馴染んでたな。MT。

 わーい、いつでも復帰できるぞ。

 

 という訳で、10時間程かけて、270kmのお楽しみ。

 ちなみに燃費は9km/lくらいかな。街中や阪神でも4速までで事足りてたこと思えば、上出来でしょう。

 

 楽しいなあ。

 良いなあ、FR、MT。

 

 まあ、次の日には、スタッドレス履いたPoloで雪道行って、やっぱりFFでよかった、とか思ったんだけどね。

 

 また乗りにいこ、っと。

 

 ただ、それだけのはなし。