東京JAZZ 〜PARTY EXPRESS〜 ― 2007年10月01日

本当に、久しぶりに。
ジャズのコンサートに、いってきたよ。
東京JAZZ。
僕のよく読む日経新聞に、結構しつこく広告が載っていたから、知ってはいたのだけれども。でも、大阪版に東京JAZZの広告出してもなあ、って他人事のように思ってたんだけどね。
出演者見ながら、結構豪華だなあ、なんてうらやましがったりして。
それが、ちょうど出張にあたってね、偶然。一日だけ、のぞいてみたよ。
東京国際フォーラムっていう、展示会とか国際会議とかによく使う会場での、ジャズコンサート。どんな演奏を聴かせてくれるんだろうね。
東京JAZZって、何年か前から始まった、ポストバブルのフェスティバルなのだけれど。最初の数年は、たしかハービー・ハンコックがプロデュースかなんかしてて、出ずっぱりだったよね。テレビ中継をちらちらと見たことがあるよ。寺井尚子とか出てたことあるよね。
今回は、ハービーは出てなくて。僕のお目当ては、ランディ・ブレッカー。弟死んじゃったあと、どういう演奏をしてくれるんだろうね。
このフェスティバルは、四日間でいろんな趣向を凝らしたオムニバスなんだけれども、僕が行った二日目は、TOKYO JAZZ
PARTY EXPRESSっていう副題のついた、ダンサブルノリノリ系の日、らしい。ランディが出てるから、まあいいや。
当日券で入ったんだけどね、横の方ではあるけれど、結構いい席で。もちろんかぶりつき、ではないけどね。
さて、定刻に始まった演奏は。
トップバッターの、SOIL & "PIMP" SESSIONS。
あんまり、このバンドについては触れたくないのだけれど。唯一の日本人バンドで、PARTY NIGHTのトップバッターを任されて過剰にがんばっちゃったな、っていう感じ。
まあ、ジャズじゃないから、僕の点が辛くなるのはしょうがないと思うのだけれども、いかにせん、うまくないんだよね。タイトじゃないドラムと、叫ぶしかできないアルト。押しつけがましいMC。
ピアノはハービーのコピーで、モネのラッパを持ったにいちゃんはパラパラ系(US3みたいな感じね、数年前に流行ったパラパラでは決してなく)。
それでも会場のみんなは素直に、立てといわれたら立ってたけれど、踊れといわれてもこのビートでどう踊るのよ、って感じでしたね。
まあ、最初だからね。それでもいいや。次はランディのバンドだし。
って気を取り直してSOUL BOP BAND。
このバンド、面子がすごくてね。ランディの他に、ビル・エヴァンス(もちろんtsのね)、ハイラム・ブロック、クリス・ミン・ドーキー、ドロニー・ホームズ。最初の三人しか知らないけれど、それだけでも十分すごいよね。ビル・エヴァンスははじめてじゃないかしら、僕が聴くの。
のっけからブレッカー・ブラザースのスポンジで始まったステージ。
僕は、さっきのバンドの音の締まりのなさを、半分はPAのせいにしてたんだけどね。ごめんなさい。そんなことあり得ないね。それほどの切れ。シャープさ。
そして、嬉しいことに。
ランディ絶好調。
僕は、ブレッカー・ブラザースのランディを、3,4回見たことがあるのだけれど、あんまり調子のいいランディって見たことがないんだよね。息切れしちゃったり、速いパッセージはマイケルに任せちゃったりのイメージが強かった。もちろん、マイケルに霞んじゃた、っていうのはあるのだろうけどね。
頼れる弟がいなくなった(泣)分、兄貴ががんばった。
どのメンバーも自分のリーダー作を持っていて、それらの曲に混ぜて、ブレッカー・ブラザースからは三曲演ってくれた。サムスカは、多分次の日のスペシャル・セッション(ミンツァーや、デニチェン!!!)にとっとくんだろうね。今回は演奏してくれなかったけれど、でも、大満足だよ。お兄ちゃん、ありがとう。
そして、最初のバンドの奴ら、見たか、これがジャズ、これが生演奏ってもんでしょ。
休憩のたびにビールやワインを飲んでると、そろそろ訳がわからなくなってくるのだけれど、お次は、キャンディ・ダルファーちゃん。
ダルファーちゃんがデビューしたのって、いつだったかしら。僕が大学生の頃? もちろんアイドルサックス吹きとしてのデビューだったのだけれども、そしてもちろん、その頃がちがちのお堅い4ビートマニアだった僕は聴いたことがないのだけれど。でも、今に至るまで生き残ってるんだから、それはそれはすごいことだよね。
というわけで、ダルファーちゃん初体験。
もちろん、僕と同じだけあの頃から年をとっているのだから、ダルファーちゃんなんていうのは失礼なのだけれど。でも、魅力的に歳を重ねたアイドルは今でも十分、まず視覚で惹きつけるよ。
もちろん、僕も惹きつけられた一人だけれども。
出てくる音はね、ファンキー系のアルトってことで、サンボーンを比べられることが多分多いと思うし、僕もそう思って聴いたんだけど。
線としては、その路線に間違いはないんだけど、サンボーンにはない歌やラップ、しかも本人が歌ったりして。絶対に吹きにくいだろうな、っていうめちゃくちゃ高いハイヒールや衣装もそうだけれど、ステージをどれだけ楽しませるかっていうプロ根性は、すごいね。
音色は、サンボーンのガリって引っかかる存在感のある音に比べると甘い、腰のない音なんだけれど、素直に楽しかったな。SAZ
A GO GO!、この期に及んで買おうかな、って気になったよ。
さて、夜も更けて。
開演から三時間後に始まった、最後のセット。ジョー・サンプル&ランディ・クロフォード。
僕は、ランディに関してなんにも知らなかったからね、このセットは、ダルファーちゃんで盛り上がった人たちが三々五々帰っていくためのセットなのかと思ってたんだよね。
そしたら。
謝らなくちゃいけないんだけれど、全然違ったね。
ジョー・サンプルのピアノトリオで2,3曲演ってから入ってきたランディ・クロフォード。入ってくるなり熱烈な歓迎ぶりでね、客席が。
僕は、何が起こったのかよく分からなかったけれど。
ランディの歌は、押しが強かったりブルージーだったりっていう、いわゆるジャズの唄い方ではなくて。ハートウォーミングなPOPなのだけれど。
イントロや、最初のワンフレーズで盛り上がることが多かったから、きちんとCDを聴いて、ランディちゃんお目当てで来てるお客さんが多い、ってことなんだろうね。
正直、僕にはこれといった印象はないのだけれど。でも、兄貴とダルファーちゃんで火照った心をやさしく癒してくれる、いいセットだったよ。
ああ、でも。
もう一日、東京に泊まって、ランディとミンツァーとマイク・スターンとデニチェンのセット、聴きたかったなあ。特にデニチェンの叩くサム・スカンク・ファンク。聴きたかったなあ。
あ、そうそう。
もらったチラシを見てて気がついたんだけど。
大阪では、ブルーノート大阪がつぶれて、ビルボードライブ大阪になったから、僕はてっきりブルーノートがビルボードに変わったのだと思っていたのだけれど。東京は、ブルーノートとビルボードライブが別々に存在するんだね。福岡はどうか知らないけれど。
僕はやっぱり、ブルーノートっていう名前に愛着があるから、がんばって欲しいなあ、ブルーノート東京には、ね。
SOIL & "PIMP" SESSIONS
SOUL BOP BAND featuring Randy Brecker, Bill Evans, Hiram Bulock,
Chris Minh Doky, Rodney Holmes and more
Candy Dulfer Band
Joe Sample & Randy Crawford
2007年9月21日
東京JAZZ TOKYO JAZZ PARTY EXPRESS
東京国際フォーラム 37列11番(くらい)S席
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