ひさびさのビッグバンド 狹間美帆@フェニーチェ堺2022年11月20日

 多分、数年前にフェニーチェ堺にJazzを聴きに行ったときだと思うのだけれども。

 狹間美帆という名前をものすごくインプットされたんだよね。

 その時は、山下洋輔とか渡辺香津美とか、ヒノテルとかを聴きに行っていて、北村英次さんとかは名前を知っている程度だったし、唯一の若手であった狹間美帆さんは、山下洋輔がすごい人がいる、といっていたのが印象に残っただけで、演奏も、聴いたか聴いていないかも良く覚えていないくらいだったのだけれども。

 でも、山下洋輔のおかげか、名前はインプットされたんだよね。僕の中に。


 そんなこんなで、数年後のコロナ禍で、僕はフェニーチェ堺に結構通うようになって。

 そこでまた大々的に宣伝されていたのが狹間美帆。今度はデンマークのビッグバンドと来るらしい。

 ビッグバンドジャズって、アロージャズくらいしかあんまり聴く機会がないモンなあ、と思って、行ってきたよ。

 

 狹間美帆&デンマークラジオ・ビッグバンド


 デンマークのジャズって、全然知らなくって、デューク・ジョーダンのアルバムにフライトトゥデンマーク、って言うのがあるからデンマーク録音なんだろうなあ、っていうくらいしか思い浮かばないのだけれども。

 結構アメリカのミュージシャンが移住したりしているみたいだね。ビッグバンドの神様みたいなサド・ジョーンズも、晩年は移住して、お墓もあるし、通りの名前にもなっている、って言うこと。

 このビッグバンドは、国営のラジオビッグバンドという事で、多分エリートバンドなのだろうと思うけれど。2019年から狹間さんが首席指揮者を任されている、とのこと。


 バンドはね、ラッパが5人の5、4,4にギターの入った4リズムのオーソドックスな編成で。

 バンドメンバーが席に着いたあと、搭乗してきた狹間美帆さんは、なんの楽器も持っていなくて、あ、指揮者なんだ。

 ビックバンドって、カウント・ベイシーとかデューク・エリントンとか、トシコ・アキヨシもそうだけれど、ピアノがリードを取るか、ベニー・グッドマンとかグレン・ミラーとか、管楽器奏者がリードを取るかのイメージが強くって。

 僕がむかし参加していたビッグバンドも、指揮者っていうヒトはいなかったから、指揮者がどう言うことをするのか、よく分からないのだけれど。

 でも、首席指揮者、というポジションがある、という事は必要な役割、なんだよね。


 オーソドックスな編成の割に、最初のオリジナル曲とか、次にやったsing sing singとか、ちょっとリズムをひねった曲が続いて。

 ビッグバンドは踊りのための音楽だと思って聴いていると、ちょっと無条件で気持ちいい、って言う感じではないんだよね。

 もちろん、ビッグバンドはダンスフロアのバンドとして発展したけれど、それだけじゃないんだぞ、という意気込みは分かるし、そういうのもいいと思うんだけれどもね。


 ビッグバンドが奏でているのって、ジャズなんだろうか、っていろいろ考えながら聴いちゃったよ。

 

 僕は、ビッグバンドは演奏する方から入ったから、それはジャズだって、信じて疑ったことはないのだけれど。

 でも、ジャズが好きっていう人が、「グレン・ミラー最高」とかいっていると、あれがジャズだと思っているのか、と内心思ったりして。

 だったら、聞く立場からジャズであるビッグバンドってなんだ、といったら、ベイシー、サドメル、ジャコのバンドとかかな。ジャコのバンドはテーマとリフが大編成ナだけで、基本はアドリブを聴かせるバンドだからわかりやすいけれど、ベイシーがジャズでグレンミラーがジャズじゃない、ってどういうことだろう、とかいろんな事を考えながら聴いていると。


 やっぱりビートに乗った切れのいい音楽は、ジャズだよね。いろんな音色を出そうとしてみたり、リズムを変えてお芸術にしようとしているのは、そういう意味ではジャズじゃない、って僕は感じるのかな。

 ウイントン・マルサリスが率いるリンカーン・センターのビッグバンドも、そういう意味ではお芸術だよね。

 じゃあ、エリントンは、といわれると困るのだけれど、あれは、ジャズだよね。


 あ、だからってデンマークのビッグバンドがどう、というのではなくてね。

 狹間美帆さんは、というか歴代の首席指揮者の役割は、オリジナルの新曲を創る、という事らしく、コンサートも大半は狹間美帆&デンマークラジオ・ビッグバンドの新アルバムの曲と、過去の首席指揮者の曲だったし。

 新曲を堂々とひっさげて、それを中心にしたコンサート、しかも外国にも遠征が出来るって、すごい事だよね。


 という事で、久しぶりに聴くビッグバンドの音色、堪能しました。

 ありがとね。


 ただ、それだけのはなし



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