そりゃないよ。2006年07月03日

 もちろん物事には終わりが来る、っていうのは分かってるんだけどね。頭ではね。

 ワールドカップが決勝トーナメントに入ってから、ベテラン選手の輝きに、目を奪われてるんだけど。
 ブラジル対フランスじゃなくって、ロナウド対ジダン。イングランド対ポルトガルじゃなくって、ベッカム対フィーゴ。とかね。
 
 そして、その年齢を見て、無理矢理安心しようとしてたんだけど。
 ジダンだって、フィーゴだって34歳。それで代表でキャプテンやってんだから。
 
 だから。
 
 33歳で迎える、中田の次のワールドカップだって、ちゃんと代表を引っぱってくれる、ってね。
 
 なのにね。
 
 もう、見れないんだね。
 上体をまっすぐに伸ばして、パスをもらう直前に辺りを見回す中田を。
 相手のタックルを、バランスを崩しながらも倒れないでキープする中田を。
 得点を決めた歓喜の中で、一人だけセンターサークルに戻って再開させない中田を。
 ベストの飛び出しと全力疾走がないと追いつかない、速くて低いパスを一番いい場所に出す中田を。
 
 かっこよすぎる、なんていわないよ。
 もちろん、まだ続ける責任や義務がある、なんてことも言わないけれど。
 口が裂けたって、いうもんか。
 
 どっちもいいたいけどね。
 
 ほんとに、もう見られないんだね。
 いいけどね。別にサッカーなんて好きじゃないし。今回の大会だって、30試合くらいしか見てないし。。。
 
 
 一回だけ、いうね。
 ありがとう、中田英寿。
 
 クレバーで、しかも熱いサッカーなんて、もう見られないのかも知れないね。
 
 
 さあニッポン、どうする?
 
 ただ、それだけのはなし。

ニッポンの順位2006年06月25日

 ほんとのこととは思いたくないんだけどね。宮本が、ブラジルに負けた後でね、「世界のトップ10か、そのすぐ後ろに食い込める力があると思う」っていったんだってね。
 まあ、ライブドアのニュースだから、井戸端会議の域を出ないんだけれどもね。
 そして、僕は信じたくないけどね、宮本がそんなこと言うなんて。
 
 というわけで、グループリーグにおける日本の成績って、どれくらいなもんか、見てみることにしたよ。
 
 まずは、勝ち点。日本の勝ち点は1だよね。これより少ない勝ち点0は、コスタリカ、セルビア・モンテネグロ、トーゴの三つ。勝ち点1は6チームだけれども、日本は3位のクロアチアに引き分けただけでグループ4位だから、1位、2位に引き分けたチームより下だと考えて、勝ち点による順位は27位タイ。
 次は、得点2。得点0のトリニダード・トバゴ、得点1のトーゴ、アンゴラ。得点2のチームは8チームあって、日本は22位タイ。
 失点で見ると、日本は7。失点10のセルビア・モンテネグロ、9のコスタリカよりは上だけれども、29位タイ。
 得失点差では、-8のセルビア・モンテネグロ、-6のコスタリカに継いで、-5の日本は28位タイ。
 
 まあ、少なく見積もっても25位より上に行くことはないよね。しかも、今回アジアの国はひとつも決勝トーナメントにいけなかった。ヨーロッパや南米には日本より強くって、でも本大会に出られなかった国がたくさんあると思うから、日本の順位って、多分30位かそれより下だよね。
 
 もし、ね。
 宮本が、ほんとに世界のトップ10に入るっていったんならね。多分、日本の調子が良ければこんなところでは終わらないよ、っていうだろうけれどもね。
 
 ワールドカップに本調子持ってこないで、どこで調子の良さを発揮するの?
 
 発揮した力が是実力。
 そういうヒデのような謙虚さ、欲しいよなあ。
 もちろん、提供元のはっきりしないライブドアの記事を元にしてるだけなんだけどね。
 
 ただ、それだけのはなし。

話、きいてます?2006年06月24日

 予想が当たったね、2敗1分。嬉しくないけれど。
 嬉しくはないけれど、あんまり悔しくないんだよね。だって、これ以外の結果って、考えにくいでしょ。
 
「この不器用な革命家と付きあうには、相当の覚悟がいる。だが、あと1年、どんな痛みがあろうとも、日本には彼が必要だ。日本サッカーの革命は、まだ終わっていない」

 一年前に、Numberという雑誌がこう書いていて、僕もそれに同意したのだけれど。結局、日本代表の選手たちは、この不器用な革命家と付き合うことを、放棄しちゃったんだよね。
 自分の想像できる範囲の、ちっちゃな経験と実績を持って、自分の想像外のレベルと経験に基づく、真摯な忠告をうるさがった。その結果が、これだよね。中田を除くチームの総意がこれならば、しょうがないよね。
 
 
 まあいいや。
 ブラジル戦での、玉田のゴール。バランス崩した稲本から三都主への奇蹟のパス。三都主から走り込んだ玉田への絶妙なパス。そして、キーパーをよく見て思い切りけり込んだ玉田の、美しいシュート。
 それから、
 試合終了と共にピッチに倒れ込む中田。ブラジルのユニフォームで顔を隠して、その陰で哭く中田。その中田に誰も近寄らない選手たち。近づくのは係員。放送終了直前にやっと起きあがった中田。
 
 この、玉田のシュートと中田の涙だけが、今大会の収穫かな、って思ってたんだけれどね。
 
 一夜明けて。
 見るとも無しに見ていた報道ステーション。
 試合後、左手を吊って記者通路に現れた中田。
 思いっきりクールな、いつもの中田。
 
 --ピッチに倒れ込んでいましたが?
 疲れていたので。
 --泣いてるように見えました?
 そうですか。
 --最大限実力を発揮できましたか?
 最大限実力を発揮できないではなくて、発揮したのが現在の実力です。力不足を痛感しました。
 --どのような大会でしたか? 
 ……話きいてます? チカラブソクヲツウカンシタタイカイデシタ。
 
 ぼおっとした頭で、何気なく見ていた映像だったから、記憶がだいぶんあやふやなんだけれど。
 そして、もしかしたら大部分の人には不自然さを感じないのかも知れないけれど。
 中田は、というかサッカー選手は、こんなマスコミと付き合わなくてはいけないんだね。
 こんな、っていうのは、会話としてのインタビューが成り立たない、質問とも言えないような振りを繰り返し、答え手の親切心と阿吽の呼吸にすべてを任せるインタビュー。真摯に答える中田が、既に答えを言っているのに、同じ質問を(言葉を換えて)発して恥じないインタビュアー。
 このやりとりで、きっとこのインタビュアーは、中田は扱いにくい、無愛想だ、っていって回るんだろうね。この状況できちんと、筋道立てて、誠実に答えようとした中田の誠実な良心をくみ取ることもなく。
 
 あわてていくつかのチャンネルを見たけれど、このインタビュー映像を使った局はいくつもあったけれど、「話きいてます」のところを使ったのは報道ステーションだけだったね。僕が見た限り。
 これは、報道ステーションの、古館の報道屋としての良心なのかも知れないね。
 ちなみに、他の局では、「チカラブソクヲツウカンシタタイカイデシタ」の部分だけ編集されて、充分にナカタのインタビューとしての役割を果たしていたけれどね。
 
 ああ、こういう報道が醸成していく世論っていうやつとも、中田は闘わなくちゃいけなかったんだね。
 お疲れさま、中田英寿。
 黄色い布にくるまれた、真っ赤に充血した細い目。忘れないよ。
 いつかその意味がチームメイトにも伝わるといいね。
 
 ただ、それだけのはなし。

メッセージ。2006年06月13日

 つまり、ヒディングの術中にはまったのは、ジーコだったってことなのかな。
 
 後半39分、オーストラリアのロングスローからのボールが、何人もの股をくぐってゴールに吸い込まれたとき、僕は思わず喜んじゃったよ。不謹慎かな。
 前半に入れた日本のゴールがね、なんか何となく入っちゃったように見えるゴールだったから、そのあとものらりくらりとした戦い方をしていたから。必死になる日本が見たくてね。同点になったら、必死になって、そしてゴールを奪う日本が見られるんじゃないか、って。
 あ、選手が必死になってない、って言うことじゃないんだよ。なんていうか、ワカリヤスイメッセージとして、必死で点を取りに行く、っていう姿勢をね、見たかったんだ。
 
 それはどういうことかっていうと、例えばオーストラリアの選手交代。
 後半8分の交代は、MFからMFへの交代だけれども、16分にDF下げてFW。30分にはMF下げてもう一人FW。ワントップで始まったゲームは、あれよあれよという間に3トップ。実際に3人ともフォワードの位置にいたかどうかは知らないけれどもね。点を取りに行くっていうメッセージは、痛いほど伝わってくるよね。
 対する日本は、後半11分に坪井の故障で茂庭を入れて。次は点を取られる直前の34分に、FWの柳沢を下げて、攻撃的MFの小野。ヒデをひとつあげて1トップ2トップ下。FW下げて、攻撃的MFっていう交代に、どういう明確なメッセージがあったんだろうね。
 ヒデと俊輔は並び立たないのに。
 
 そして、2点目を入れられたロスタイム、あわてて茂庭をも一回下げて、FWの大黒。
 あと2分で、何しろっていうんだろうね。
 即席2バックはもちろん機能するはずもなく、もう一点入れられてホイッスル。
 
 ああ、やっぱり格が違うのかな。
 ジーコとヒディングの、戦術家としての格が、ね。
 4年前、予選ラウンドで選手交代がぴたりとあたって、トルコ戦では自分の策におぼれたトゥルシエ。
 今回のジーコは、途中交代した選手がどんどんと点を取るオーストラリアの、ヒディングの策に溺れたのかも知れないね。
 
 日本が連敗して第3戦、1勝1敗同士のオーストラリア、クロアチア戦、なんてことになったら、僕はそっち見ちゃうかな。

 ただ、それだけのはなし。

日本代表って、、、2006年06月04日

 またまたサッカーの話しなんだけど。
 まあしょうがないよね。だってW杯前だからね。
 いま、マルタ戦の後半が始まったところなんだ。本番前の、最後の調整試合。こういう試合、こういうって言うのは、ドイツでやる日本対マルタっていうマイナーな試合なんだけど、結構人が入ってるんだね。カメラが捉えるバックスタンド(反対側?)は、満席。在独日本人が大挙してきてるんだね。

 ああ、そんなことはどうでも良くてね。
 つくづく。日本代表チームって、変わらないね。
 開始早々、2分で一点取ったから、これからゴールラッシュが見られるのかな、って思ったのだけれども、その後は決め手を欠いて。しかも前半終了直前に3回も決定的な危機もあったりして。
 あ、マルタって、ヨーロッパのチームで、ランキング125位。もちろん人口も予算も、日本とは比べものにならないからね、ランキング低いのはあたりまえなんだけれども。

 あ、変わらない日本代表の話だね。
 サッカーって、他のどんなスポーツよりも、番狂わせが起こりやすいんだ。なんでかっていうと、他のどんなスポーツに比べても、1点を取るのが難しいから。90分間、22人の選手が各自10キロ以上走り回って、全体として一点も入らないゲームなんてざらだしね。
 そういう点が入りにくいゲームだから、ひょんな幸運で1点取って、それを守りきったら思いもかけない番狂わせだって夢じゃない。アトランタでのブラジル戦みたいにね。
 だから、今回だって日本がブラジルに勝つ可能性だって、0じゃないよ。例えば、予選で対戦する3チームと、10回ずつ試合したら、オーストラリアとは3勝4敗3引き分け、クロアチアとは2勝6敗2引き分け、ブラジルとは1勝7敗2引き分けくらいの結果になるんじゃないかな、って僕の予想だけどね。
 だから、3勝する確率だって0じゃないけどね。でもそれよりも凄く大きな確率で、3敗だって考えられるよね。

 僕が日本代表が変わらないな、っていうのはね。たぶんこの試合のあとの監督や選手のコメントでも出てくるだろうけれど。
 いろいろ問題点はあるけれど、これからの日々の過ごし方次第で、修正できますよ、って、みんないうだろうけれどもね。
 そんなこと、4年前から言ってるんだよね。
 じゃあ、具体的にどうすれば修正出来るの? ってことは誰も聞かないで、トップコンディションだったら、今回の課題は問題にならないでしょう、って。

 じゃあ、どうやったらトップコンディションになるの? 本番っていうモティベーションだけで、それがすべて解消するの? 相手だってモチベーションあげてきてるのに?

 全体的な確率アップなんか、もういってる場合じゃないでしょ。オーストラリアに、クロアチアに、どうやって勝率を上げるかっていう具体的なモノが、なんにも見えないんだよね。

 あ、玉田を小笠原に代えたんだね。巻の1トップか。125位のマルタに1対0で勝って、それで良しとするんだね、ジーコは。
 2敗1分けって予想したけれど、3敗かな、、、

 ただ、それだけのはなし。