2002W杯 韓国 vs. イタリア2006年06月03日

 あと一週間だね。
 ワールドカップ。
 
 未だに決めかねてるんだよね。どんなスタンスでW杯に臨んだらいいんだろう、って。
 もちろん、どちらにしろテレビ観戦なんだけどね。
 
 僕はジーコと中村をあんまり評価していない中田&小野ファンの悲観主義者なんだけれど。
 今回のチームって、結局どうなんだろう。
 強化試合を見ると、いつもあり合わせの選手でチームを作って、いいときにはいい試合を、悪いときには悪い試合をする。でもそれを次に持ち帰って課題を解決して、って言うことはしなくって。次はまたその時のベストを揃えていいときにはいい試合を、、、。
 時間が経てば強くなっていく、っていうイメージがあんまり描けないんだよね。
 
 先週号のNumberにね、ジーコを評して「戦術はないけれど志がある指揮官」っていう記事が載っていて。それはその通りだよね。「戦術だけがあって志がない」トゥルシエよりも、個人的にはジーコの方が好きなんだけれども。
 でも、「戦術も志もある指揮官」っていうのもいてね。初戦であたるオーストラリアのヒディング監督がまさにそう。
 
 忘れもしないよ。
 2002年のトーナメント1回戦。
 トルコに負けた日本を観て、「我々はまだ満腹していない」と韓国選手を鼓舞したヒディング。
 試合の終盤、この試合で最後になる可能性のある韓国のキャプテン、ホン・ミョンボ(DF)を下げて、5人目のフォワードを投入したヒディング。
 もちろん5トップではなくて、3人入れ替えて7つのポジションチェンジをした策士、ヒディング。 
 涙出てくるよね。無料放送した試合は全部録画したけれども、後になって見返した試合は、日本戦を含めてこの試合だけだったな。
 結果として、韓国をベスト4まで導いた、ヒディング。
 
 そういう海千山千の策士を迎え撃つのは、常に正面突破のジーコジャパン。もちろん競うべきはオプションの数ではなくって、そのクオリティなんだって、わかってはいるのだけれどもね。
 
 誰も見てないだろうからいっとくけれど、僕の予想は2敗1分け。1分けはブラジルね。
 
 ちょっとごたごたしてる時期、っていうのもあって、僕のスタンスは、「決勝トーナメントにこれないようなチームは、応援してあげないよ」ってとこかな。
 
 がんばれニッポン。
 
 ただ、それだけのはなし。

復活のシュー2006年04月24日

 壮絶な、レースだったね。
 
 おととしまで5年連続のチャンピオン、シューマッハと、去年のチャンピオン、ルノーのアロンソ。

 一方はライバルは4人くらいいるけれど、シューマッハを蹴落としてチャンピオンの座を守りたいね、と公言する史上最年少のチャンピオン。
 かたや去年は屈辱の一勝を恵んでもらった元皇帝。ポールポジションの最多記録を作った今回の予選。どうしても、迫り来る決断の時の、影の長さを測るレースになるよね。
 
 レースはね。
 第一スティント。
 ガソリン少なくしてポールを取ったシューと、ちょっと重いアロンソ。ペースは互角だけれども、チームメイトのマッサを壁にして差を広げるシュー。マッサが先に給油して、追い上げるアロンソ。しかしシューもがんばって給油後、数周後に入ったアロンソはシューの10秒以上後ろで復帰。
 
 第二スティント。
 アロンソ速い。シューより周2秒速い。62周のレースの32周目に追いついてテールトゥノーズ。だけれどもここはイモラ。抜けないサーキット。
 抜けないことに業を煮やしたアロンソ。何を血迷ったか、先にピットイン。周2秒速いのに。ガソリン多く積んでるのに。
 次の周にシューが入り、出てきたところはアロンソの前。ラップは速いアロンソ。ブロックするシューマッハ。残り25周のテールトゥノーズ。
 
 第三スティント。
 両者の差はコンマ4秒。先にミスした方が負け。一度抜かれたら挽回できないシュー。突っ込みきれないアロンソ。
 ラスト5周。焦ったアロンソが縁石にはじかれて膨らんだ。2秒のロス。致命的なミス。
 そして、シューのゴール。
 
 もちろん最大の見所は、2回目の給油のタイミングなんだけど。ラップ2秒差のあるマシンを、30周に渡ってブロックし続けたシューマッハ。しかもノーミス。
 「抜けない、抜けない。ここはモナコ、モンテカルロ。絶対に抜けない」
 あの、セナ対マンセルの伝説のモナコも、ラスト5周だもんね。
 今回は30周。
 
 歯を食いしばりながら、刻によって残酷に奪い去られるものと戦い続けるシューマッハ。若さを最大の武器に、遠慮無く失速した元王者に食らいつく若きチャンプ。
 今回、最後に抜かれていたら、周囲の目はもちろん、多分本人のモチベーションも枯れ果ててしまう。そんなぎりぎりの勝負に、見事勝利したシューマッハ。
 
 もちろん、イモラでさえこんなぎりぎりの勝負しかできない現実には変わりがないし、これから好転することなどあり得ないんだけれども。
 それでも。そんなことはわかっているけれど。
 見事だったね。シューマッハ。
 久しぶりに、夜中に一人で叫んだり、ガッツポーズしたりしたよ。ありがとう。
 
 ただ、それだけのはなし。

セナの背中2006年04月23日

 ここ何年かのレギュレーションの迷走でね、ほとんど見ることはなくなっちゃったF1。僕の好きなシューマッハが勝てなくなっちゃった、っていうのが大きい理由なんだけれどもね。
 
 そのシューマッハが、イモラで行われているサンマリノGPでポールポジションを取って、セナの持つ最多ポールポジションの記録を抜いたらしい。
 イモラか。
 まだ覚えてるよ。94年の5月1日。イモラに散ったセナと、交代するように台頭したシューマッハ。あれがセナの最後のppだったのかな?
 
 あれから12年。シューマッハはセナや、他の人が持ついろんな記録を悉く塗り替えまくった。勝利数を追い抜かしたときのインタビュー。言葉に詰まって、涙を見せたシューマッハ。最大のライバルになるはずが、急にいなくなってしまったセナの、見えない背中を追いかける辛いレースを続けてきたシューマッハ。
 レギュレーションとブリジストンタイヤのせいで、いつの間にか追われる立場から転げ落ちたシューマッハ。

 多分今回のこの記録で、追いかけるべきセナの背中は無くなっちゃったんだよね。
 そんな大記録を、チャンプ争いから遠い位置で達成したシューマッハ。しかも、エンジンとタイヤとガソリンの交換制限によって、ppの意味はこれまでと比べものにならないくらい軽くなって。
 
 もういいんだよ、休んでも。っていってあげたい気持ちもいっぱいあるんだけれども。
 でもあえて、まだやめないでね。あの憎たらしい満面の笑みを、シーズンの最後にもう一度見せてくれるまでは。
 
 ただ、それだけのはなし。

大丈夫か? Number2006年01月28日

 前にも書いたけど、僕はNumberというスポーツ誌をたまに読んでいて。しかも結構好きで読んでいた。
 だけどね、こういう記事が堂々と出るようじゃあ、これから先、この雑誌とのつきあいを考えなくちゃいけないな。
 
 1/19号の、浅田真央の記事、書いたのは宇都宮直子。
 もちろん内容は、GPファイナルに優勝した浅田真央が、オリンピックにいないのはオカシイ、っていうことで。
 浅田がGPで勝ったのは、「決して代表争いのプレッシャーがなかったからではない」のだけれども、その根拠は「ジュニアからシニアに移行した初めての年、プレッシャーがないはずがない」から。
 、、、それって、字面だけ同じで、全然違うプレッシャーじゃないの??

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 
 そして、この記事の締めくくりは。
 むろん、ルールはルールとして尊重されるべきだが、浅田真央のいないオリンピックが、果たして、真の勝者を決める場と言えるのかどうかだ。
 人々は知っている。誰がオリンピックに相応しい選手であるかを、十分にわかっている。後略。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あのさぁ、スポーツっていうのは、ルールの上に成り立ってるよね。冬のオリンピックでいえば、フィギアスケートの採点方法が去年から変わって、安藤美姫が不利になったっていわれてるし、長野でジャンプに勝ってからスキー板のルールが変わって、日本が勝てなくなった。
 でも、そういうことを、みんな受けて入れるのが、スポーツなんじゃないの?
 オリンピックサッカーに、A代表が出られないから、あんなのは真の勝者を決める場じゃない、って誰かいう? (みんないってるかも知れないけれど)
 
 GP勝者がオリンピック代表になる、っていう了解があったのならともかく、前々からいわれていたルールを、そのままに適用したことを非難するなんて、スポーツ雑誌として最低の、恥ずべきことだって言う認識、あるのかな? ウツノミヤナオコさんに、それを採用した編集部に。
 
 だいたい、浅田真央の人生設計に、トリノオリンピックとか、トリノのために戦うGPとかって、なかったんでしょ? だったらいいじゃん、このまま伸びて、いい状態で次のオリンピックに行ってね、ってみんなで祈るだけで。
 
 ただ、それだけのはなし。

高専ロボコン20052005年12月26日

 例えば高校野球とか、そういう青春の熱い血潮みたいなのって、苦手なんだけどね。
 なんだけど、チャンネルが合うと必ず止めてしまうんだよね、これ。いや、高校野球ではなくて。
 それは、ロボコン。いや、映画のじゃなくって。。
 
 高専ロボコン2005って言うのかな、正確には。ちょっと前にザッピングしてたときに、近畿地区予選をやっていて、今回は全国大会だったんだけれどもね。
 あ、ロボコンってね、高専の子達がロボット作って、その性能を競い合うの。毎年ルールが違ってね、今年のルールは、大運動会。
 ラジコンで操縦するロボットが、バトンを持ってはしごをくぐり、平均台をのぼり、そしてハードルを跳び越えて、もう一台のロボットにバトンタッチ。こっちのロボットは自律走行でね、3メートルの壁をのぼってそこにある穴にバトンを入れる。
 この間、3分。
 二つのチームがヨーイドンして、ゴールに近い方が勝ち。
 難しそうでしょ?
 
 近畿大会の時はね、あまりに難しくって、平均台にたどり着くロボットがあんまりいなかった。はしごがかなりの強敵でね。だからまあ、高校生らしいな、ってほほえみながら見てたんだけれどもね。
 
 それが、今回見た全国大会は。
 最初に決勝戦だけのダイジェスト見て、それから完全版を録画してみたんだけれどもね、すごいよ。
 地区大会はどこも似たようなもので、全国を通じてゴールをしたチームは一つしかなかったみたいなんだけどね。全国大会の、3回戦(ベストエイト)ともなると、どれだけ早くゴールするか、って言う勝負でね。
 
 はしごくぐって、平均台のって、おまけにハードル超えなくちゃいけないから、高さや重心が自在に変えられなくちゃいけないんだけれども。その変え方がね、なんでそんなの考えつくの、って言うくらいみんなユニークでね。
 例えば、大阪府立高専のロボットなんか、ただのつづらみたいな形でね、ずんぐりむっくり。伸ばす脚なんてありゃしない。それがどうやって平均台にとりつくかっていうとね。なんと、ジャンプするんだよ。ペットボトルに詰めた空気で出したシリンダーを1本で、宙を飛んで見事、平均台に着地。近畿大会でもそんなにいい成績じゃなかったこのチーム(優勝しなくても、アイデアが良かったりすると特別枠ででれるんです、全国大会)は、結局見せ場はそれだけで初戦で散っていったんだけれども。見てて嬉しくなっちゃうロボットだったよ。
 
 決勝戦はね、1分半でゴールを決められる最速チームの東京高専と、シンプルで不安定なロボットなんだけれども、何度転んでも起きあがるロボットを作って辛勝してきた津山高専。どっちも、連戦でロボットの調子が心配そうで。
 
 開始。
 快調に飛び出す東京と、まっすぐ進まない津山。東京はスピード活かして平均台に。はしごでちょっと引っかかる津山。
 東京、平均台で脚が床に着く反則。ペナルティではしごからやり直し。しかしスピード早く直ぐリカヴァー。ハードル超えたときには津山はまだ平均台。
 津山、平均台おりるときに転んで、平均台の脚に絡む。もがきながら起きあがる津山。東京は自律ロボにバトンをタッチ。
 ハードルにとりつく津山。東京は自律ロボットが壁に向かう。
 しかし、東京の自律ロボ、壁に取りつけず横ばい。たまらずバトンタッチまで戻ってリスタート。
 津山ハードルで悪戦苦闘。また転ぶ。東京は2度目のバトンタッチ。
 しかし東京のロボット、暴走。津山陣内に侵入し暴走を続ける。
 東京、たまらずロボット回収(リスタートは一度きり)。勝負は、津山が時間内にバトンタッチができるかどうか。
 秒読み開始。
 3秒前に、津山、バトンタッチ完了。自律ロボットが一歩前に出たところで、終了。
 津山高専、優勝。
 
 絶対的に速くて正確な東京高専。敗因はもちろん、ロボットの暴走なんだけれどもね。鈍くさいながら、転んでも転んでも起きあがり、絶対あきらめない津山高専が、最後の瞬間に逆転。
 
 青春の熱い血潮とか、嫌いなんだけれどもね。
 手に汗握る、いい大会だったね。
 
 今までは、他チームの妨害ができるルールで、それで姑息なロボットが多かったけれど、今回は純粋に早い者勝ちな分、すごく機能的に綺麗なロボットが多かったね。
 あー面白かった。

 ただ、それだけのはなし。