埼玉栄、1986年、ダフニスとクロエ ― 2008年01月21日

某国営放送のプログラムを見ていたらね、懐かしい名前があったから、思わず録画して観ちゃったよ。
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団。
僕はこのバンドを聴いたことはないんだけれどもね。たとえば、中学校が同じで高校時代に双方向の片思いをしていた女の子が嬉しそうに、「世界最高の吹奏楽のバンドを聴いたよ」っていってたりとか、当時飛ぶ鳥を落とす勢いで初関東、初全国の階段を駆け上っていった埼玉栄の、ディオニソスの祭りとか、ダフニスとクロエとかが、ギャルドのために書かれた(あるいは編曲された)譜面を使っていたとか。
そういうことで、僕の中ではすっかり神格化されたバンドなんだよね。
その番組は、っていうかギャルドのプログラムがそうだったんだろうけれど、10分弱くらいの短い曲が多くって。
その中のひとつに、これがあったんだ。ダフニスとクロエ。全曲じゃなくって、第二組曲だったのかな。それとも抜粋かな。
録音のせいなのか、BS hiの音質のせいなのかはよくわからなかったけれど、自作のスピーカーから出てくる音は決して音楽鑑賞というレベルには達していなかったのだけれども。
それでも、想い出すのには十分だったよ。
多分おんなじ譜面を使った、埼玉栄の、あの、演奏を。
あの、演奏。
僕は、吹奏楽部院で。そして、高校三年間の部活動は、ロデオで爆発して銅賞も取れないっていうどうしようもない結果に終わったのだけれども。
それでも、僕は未練たらしく、僕らが散った数日後に行われた選考会っていう、県代表を決めるコンクールを聴きにいったんだ。
(あ、吹奏楽部じゃない人にはわからないよね。吹奏楽のコンクールって、埼玉県から考えると、県大会、関東大会、全国大会ってあがっていくのだけれど、僕らのいた埼玉県は、学校の数が多くって、まず各支部でいくつか上手いバンドを選んで、そして、そのバンドが選考会って言う二次予選みたいなもので演奏して、関東大会に行く埼玉代表を選ぶんだ。)
埼玉栄はね、前の年に初めての関東大会、そして初めての全国大会で銀賞を取ったブラバンでは新進気鋭の学校でね。前年全国だから、予選免除で、予選会も確か招待演奏だったのかな。
その、埼玉栄が演奏したのが、ダフニスとクロエ。
僕はね、この演奏を最後に、ほとんど20年間、吹奏楽からは遠ざかったんだよね。
だって、吹奏楽っていうフォーマットにできる、最高の演奏を、聴いてしまったからね。
これ以上、何をどうやっても、吹奏楽になにひとつプラスすることはできない。そういう演奏だったよ。
ダフニスとクロエって、オーケストレーションの天才ラヴェルが創ったバレエ音楽で、合唱とかも入ったりするのだけれど。
たった50人が奏でるダフニスとクロエ。僕は、確かに、天上の合唱を、聴いたんだよ。
ギャルドのダフクロは、もちろん上手いのだけれども、音質があんまりよくなかった分、余計に栄のダフクロが想い出されてね。
20年以上前の、全国大会の実況録音、オークションで落札したんだよ。
確か、当時もレコードでこの演奏は聴いたことがあって、そして、「県大会の方が良い演奏だったな」っていう印象を持ったように覚えているのだけれど。(僕が生で聴いたのは、県大会の演奏で。レコードになっているのは、全国大会の演奏、ね。)
この演奏がお手本にしていた、デュトワ/モントリオール響のCDを、ずいぶん聴きまくったあとなのだけれども。
それにしても、すごい演奏。
録音のせいだと思うのだけれども、本当は弦がやっているアルペジオを、クラリネットが一生懸命やっているのがよくきこえてしまったりもするのだけれど、全く狂わないピッチ、アインザッツ。そして、今聴いても十分な、音楽としてのおもしろさ。
コンクールだから、演じられる音楽は冷徹な審査の対象なのだけれど、この演奏に巻き起こったブラボーコールを飛び越えての、訳のわからない叫び声。
これが、この演奏をよく表してると思うんだけどね。
吹奏楽、それも50人で演奏するコンクールっていうフォーッマットでの、紛れもない到達点だと思うんだよね。
吹奏楽なんて、オーケストラの粗製濫造のコピーでしかない、って思ってたんだけれども。
このCDに納められた他の演奏も聴いていくと、そういうのは、間違いなんだね、きっと。
ちょっと考えをあらためなくっちゃ、ね。
だからといって、吹奏楽を始めるわけではないのだけれど。
ただ、それだけのはなし。
パリ・ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団。
僕はこのバンドを聴いたことはないんだけれどもね。たとえば、中学校が同じで高校時代に双方向の片思いをしていた女の子が嬉しそうに、「世界最高の吹奏楽のバンドを聴いたよ」っていってたりとか、当時飛ぶ鳥を落とす勢いで初関東、初全国の階段を駆け上っていった埼玉栄の、ディオニソスの祭りとか、ダフニスとクロエとかが、ギャルドのために書かれた(あるいは編曲された)譜面を使っていたとか。
そういうことで、僕の中ではすっかり神格化されたバンドなんだよね。
その番組は、っていうかギャルドのプログラムがそうだったんだろうけれど、10分弱くらいの短い曲が多くって。
その中のひとつに、これがあったんだ。ダフニスとクロエ。全曲じゃなくって、第二組曲だったのかな。それとも抜粋かな。
録音のせいなのか、BS hiの音質のせいなのかはよくわからなかったけれど、自作のスピーカーから出てくる音は決して音楽鑑賞というレベルには達していなかったのだけれども。
それでも、想い出すのには十分だったよ。
多分おんなじ譜面を使った、埼玉栄の、あの、演奏を。
あの、演奏。
僕は、吹奏楽部院で。そして、高校三年間の部活動は、ロデオで爆発して銅賞も取れないっていうどうしようもない結果に終わったのだけれども。
それでも、僕は未練たらしく、僕らが散った数日後に行われた選考会っていう、県代表を決めるコンクールを聴きにいったんだ。
(あ、吹奏楽部じゃない人にはわからないよね。吹奏楽のコンクールって、埼玉県から考えると、県大会、関東大会、全国大会ってあがっていくのだけれど、僕らのいた埼玉県は、学校の数が多くって、まず各支部でいくつか上手いバンドを選んで、そして、そのバンドが選考会って言う二次予選みたいなもので演奏して、関東大会に行く埼玉代表を選ぶんだ。)
埼玉栄はね、前の年に初めての関東大会、そして初めての全国大会で銀賞を取ったブラバンでは新進気鋭の学校でね。前年全国だから、予選免除で、予選会も確か招待演奏だったのかな。
その、埼玉栄が演奏したのが、ダフニスとクロエ。
僕はね、この演奏を最後に、ほとんど20年間、吹奏楽からは遠ざかったんだよね。
だって、吹奏楽っていうフォーマットにできる、最高の演奏を、聴いてしまったからね。
これ以上、何をどうやっても、吹奏楽になにひとつプラスすることはできない。そういう演奏だったよ。
ダフニスとクロエって、オーケストレーションの天才ラヴェルが創ったバレエ音楽で、合唱とかも入ったりするのだけれど。
たった50人が奏でるダフニスとクロエ。僕は、確かに、天上の合唱を、聴いたんだよ。
ギャルドのダフクロは、もちろん上手いのだけれども、音質があんまりよくなかった分、余計に栄のダフクロが想い出されてね。
20年以上前の、全国大会の実況録音、オークションで落札したんだよ。
確か、当時もレコードでこの演奏は聴いたことがあって、そして、「県大会の方が良い演奏だったな」っていう印象を持ったように覚えているのだけれど。(僕が生で聴いたのは、県大会の演奏で。レコードになっているのは、全国大会の演奏、ね。)
この演奏がお手本にしていた、デュトワ/モントリオール響のCDを、ずいぶん聴きまくったあとなのだけれども。
それにしても、すごい演奏。
録音のせいだと思うのだけれども、本当は弦がやっているアルペジオを、クラリネットが一生懸命やっているのがよくきこえてしまったりもするのだけれど、全く狂わないピッチ、アインザッツ。そして、今聴いても十分な、音楽としてのおもしろさ。
コンクールだから、演じられる音楽は冷徹な審査の対象なのだけれど、この演奏に巻き起こったブラボーコールを飛び越えての、訳のわからない叫び声。
これが、この演奏をよく表してると思うんだけどね。
吹奏楽、それも50人で演奏するコンクールっていうフォーッマットでの、紛れもない到達点だと思うんだよね。
吹奏楽なんて、オーケストラの粗製濫造のコピーでしかない、って思ってたんだけれども。
このCDに納められた他の演奏も聴いていくと、そういうのは、間違いなんだね、きっと。
ちょっと考えをあらためなくっちゃ、ね。
だからといって、吹奏楽を始めるわけではないのだけれど。
ただ、それだけのはなし。
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