三品先生の、センサーネット構想 ― 2016年12月10日
このごろ刊行ペースが上がってるのかな。
本屋さんに行くと、三品先生の新しい本がいつもある気がするのだけれども。
その中から、面白そうな本、読んでみました。
モノ造りでもインターネットでも勝てない日本が、再び世界を驚かせる方法 センサーネット構想
三品和広 センサー研究会 東洋経済新報社 (2016/2/26)

三品先生の本は、バリバリの学術書・指南書と、軽く読める読み物系に大別されるのだけれども。これは読み物系。
製造業、という産業を軸にして。
産業革命で世界を制覇したイギリスを、なぜアメリカは逆転しそのまま引き離したのか。
そのアメリカを逆転した(ように見えた)日本は、なぜ再逆転を許してそのまま鳴かず飛ばずなのか。
その間に、製造業のボトルネックは、どう推移していて、各プレイヤーはどのような対応を取って(あるいは取らずに)いるのか。
そういう、産業の歴史の推移が、わかりやすく説得力を持って、何より面白く読めるようにまとめられていて。
遅読の僕には珍しく、数日で読み通したよ。
その歴史の上に来るのがセンサーネット構想、というほどセンサーネット構想自体にピンとは来なかったけれど。
でも、個人情報を気にする必要のない、センサーの情報によるビッグデータの生成。というのはよく分かるなあ。
久しぶりに神戸大、遊びに行こうかな。
ただ、それだけのはなし。
世界最高のバイオテク企業 ― 2015年09月10日

科学者集団であったアムジェンに、経理畑のCFOとして参加して。製品がない時期の資金繰りに苦しみながら会社としての体裁を整え。シンプルかつ強力な社是を制定しぶれずに実行して。急成長していく中で必然的に起こる官僚主義、セクショナリズムを排除し。科学に忠実に、患者によりそうためには、科学者の無関心にも敢然と立ち向かう。
有意義でやりがいのある目標を掲げ、気持ちいい仲間を集めて、気持ちよく働いてもらう。
ただ、それだけのこと。
きっと、難しいんだろうなあ。
科学の成功物語ではなく、会社としてのバイオテク企業の黎明期を、科学者ではない経営者の目線で描いたこの本。いわゆるビジネス書にはあんまり興味もないのだけれど、これは、いろんな人に読んでほしいなあ。
ハッとするところや、なるほど、って思うところが満載で。
何より、元気になるから、ね。
To be a Leviathan 〜イノベーターと学ぶ新しい仕事術〜 ― 2012年10月16日

ユイツムニスト in 神戸学校 ― 2007年09月18日
まだまだ日中は暴力的な暑さが続くね。今日なんか、午後の暑い時間に出張を仰せつかって身体が溶けるかと思ったものね。
それでも、陽が落ちるとまあそれなりに涼しい風が吹いたり、まだ頼りないけれど蟲の声も聞こえてきたり、何より三日月の輪郭がくっきりしていたり。そう。もう秋なんだよね。
先週末にね、神戸の山の手の方に出かけてきたんだ。秋の風を感じる、っていうのがテーマだったのだけれども、意に反して日向では溶けるほど暑かったのだけれども。
それでもちょっと小高い展望台に登って、クマゼミではないヒグラシゼミの声と、風にゆれる木の葉のサワサワっていう音を聴きながら日陰で休んでいると、ああ、夏も終わりなんだなあ、っていう気になるよね。
おっとっと。
神戸の山の手に行ったのは、秋の風を感じるのも重要な目的なのだけれど、もうひとつ、目的があったんだよね。
それはね、神戸学校。
友達と言うにはおこがましい僕の知人が勤めている会社が主催している、月に一回の講演会なのだけれどもね。
講演会って言うと偉い人が壇上から語りかけるおそれおおい会、っていうイメージがあるのだけれど、この会はハンドメイドで等身大な感じが、とても好感が持てるんだよね。
とはいえ、一年ぶり二度目、って感じだから、偉そうなことは何も言えないのだけれども。
この講演会の、今年のテーマは、「十二人のユイツムニスト」らしい。
僕は、カタカナが読めない人だからね。ユイツムニストってなんのことか、実はさっぱり分からなかった。ユメツムギスト(夢紡ぎスト)かな、って勝手に思ったりして。
今回、音読されてはじめて分かったのだけれども、唯一無二ストなんだね。なるほど。
というわけで、前置きが長くなったけれど。
今回の講師は、シンクタンク・ソフィアバンクの副代表、藤沢久美さん。
藤沢さんは、大学時代から三十歳までに起業する、って宣言してた人で。家政学科(だったよね?)を卒業して、「未来が見えるから」って言う理由で投信の管理会社に就職して。そこで得た経験をもとに、投信のランク付け会社を起ち上げて。その会社は数年で大手に売却して、今はソフィアバンクの副代表。っていう経歴の人。
講演内容はね、未来を見るための情報として経済を選んだ人らしく、村上龍のJMMの愛読者の僕としてはとても取っつきやすい内容で。
もちろん堅苦しい経済の話しはほとんどなくて、新しい分野で成功している女性としてものすごく魅力的な話がいっぱい聞けたのだけれどもね。
それにしても、一年くらい前に聞いたモデルのアン・ミカさんもそうだけれど、成功した女性ってどうしてこう、魅力的でかつ柔らかいんだろうね。
講演会の運営は、フェリシモって言う男の子にはあんまり知名度がないけれど(失礼)、女の子にはかなり知れ渡っている、神戸の通販会社の、入社1,2年の子達が中心になっているようで。
講演は対談形式で行われるのだけれど、その司会進行もそういう女の子。
だからもちろん、聞いているこちらが気恥ずかしくなってしまうこともたまにはあるのだけれど。でも、にもかかわらず。公演慣れしているゲストの人たちに、一般の目線で話しをしてもらうって言う意味では絶大な効果を発揮しているんだ。
ちなみに今回司会をしてくれた女性。第二部冒頭の「来ないかと思いました」のひと言、大好きだなあ、僕は。
等身大の講演内容と、1200円っていう等身大の入場料。
仕事にがんばっている女性で、ちょっとだけ生き方について誰かに励まされたい、っていう人。特に神戸付近に住んでいるヒトは、是非一度、聞いてみたらいいな、って思う、アットホームな講演会だったよ。
興味のある人は、ホームページがこちらなので見てみて下さいね。
ちなみに、事前登録がないと、当日は入れないですよ(笑)。
あ、そうそう。
ふと思ったのだけれども、ようやく分かったよ。ユイツムニストが僕の中で意味をなさかなった理由。
きちんと書くのだったら、「ユイイツムニスト」なんだよね。どちらでもいいけれど。
ただ、それだけのはなし。
企業家とは何か ― 2006年10月29日
その必要が突然なくなって、ぽっかりしたところに読書の秋。
もちろん、いままでかなりの期間、お預けをくっていた小説なんかも読むのだけれど、せっかく少し読み慣れてきた学術書や実用書、これからも少し読んでいきたいなあ。
積んであるだけで読んでないやつもいろいろあるし。
というわけで、決めたよ。
少なくとも月に一冊は、経営学関連の本を読むよ。
って決めたのが、10月のアタマだったから、初回からぎりぎり滑り込みになってしまったのだけれども。今月読んだのは、企業家とは何か J.A.シュンペーター 清成忠男訳。
僕がこういった本を読む必要に駆られたのは、起業家に関する考察をするためだったのだけれども、企業家論の大本みたいなシュンペーターには、なかなかたどり着かずに終わっちゃったんだよね。だから、買ったきり読んでなかった、ちょっと心に引っかかっていた本を最初に選んだよ。薄かったしね。
この本は、シュンペーターの1920年代後半と40年代後半の4つの論文からなっているのだけれども。
そのころの企業家っていうのは、多くは資本家と同一視されていて。要は「持つもの」として多大な利益をあげているのが企業家(=経営者)っていうイメージなんだけれども。シュンペーターのいう企業家は、新しいことにチャレンジし、その報酬はそれによって得られる利益ではなく、資本の増加そのものであるってこと。
新しいことにチャレンジするのだけれども、それは新しいものを創り出すことととは同一ではなく、また発明家と同一である必要もない(歴史的には同一であることが多いにしても)。
あ、この場合の企業家っていうのは、ベンチャー企業の創業者という意味で僕が使っている起業家よりももう少し広い意味での「新規事業の開拓者」くらいの意味ね。
僕の考察は、起業家が発明家と自覚的に分離していることが企業の発展を利する、くらいのことなのだけれども。
起業家とはなにか。それは資本家とは分離して、「発明者」とも分離する。そういう議論が、80年も昔からあったんだね。
経営学って新しい学問だって思っていたら、そんなこと全然無いんだね。
だって、分子生物学なんて、ワトソンとクリックがDNAの構造を唱えてから50年の歴史しかないんだからね。
ただ、それだけのはない。