三度目の、上原ひろみ 〜JAZZ週間第2弾〜 ― 2014年12月24日
さて、JAZZ週間の第2段は。
もうおなじみの。
上原ひろみ。
僕にとっては、3回目の、上原ひろみ。なんだよね。
アンソニー・ジャクソンと、サイモン・フィリップのトリオで、3回目。
最初はね、上原ひろみ、って誰だか全然知らない頃。出張で行ったNYでぽっかり空いた一晩。初めてのNYだから、Blue Noteでしょうやっぱり、って予約したら、それがHIROMI UEHARA、だったんだよね。しかも、多分ほぼ最後の一席。ラッキー。
そこでぶっ飛んでね。新譜買って帰って、大阪来るといえば喜び勇んでチケット取って。今回で、三回目。
オリックス劇場、っていわれてもよく分からないけれど、旧厚生年金会館っていわれれば、ああ、そうか、っていうほどよい大きさのホールで。今回の席は、2階席の真ん中。ひろみちゃんの手も、サイモンも、もちろんアンソニーだってよく見える席。
お客さんはね、中高年の夫婦と、若いおネエちゃんが目立つ、子供のいない、コンサート。
それにしても、JAZZっていうカテゴリで、このホールをいっぱいにしちゃうのってすごいよね。ちょっと前だと、綾戸智恵くらいだよ。コマーシャルに成立する、JAZZ。
演奏は、そりゃあ、すごかったよ。
前回は、結構エレピ、というか安っぽいキーボードを多用していてちょっと興ざめ、というか、聴きたいのはピアノなのに、って思った記憶があるのだけれど。
今回は、ホールに入ったら、あるのはグランドピアノだけ。もちろん、タイコとベースはあるけどね。
いさぎいいなあ。
鍵盤と手をじっくり見れる席で、アコースティックの上原ひろみ、堪能したよ。
演奏は、そりゃあ、すごかったよ。
変拍子を使った、キメの多いパラパラ系アコースティックトリオ。
新作のALIVEというタイトルも込みで、それは、チックコリア・アコースティック・バンドのイメージともろに重なるのだけれど。
会場を総立ちに熱狂させるその熱さは、若さだけじゃなくって、他にも秘密があるんだよね、きっと。
その秘密は何か解き明かそうとして、がんばって聴いていたのだけれどもね。
ミシェル・カミロ系のパラパラ感と、お家芸の「短音連打」のリズム感。今回は、それだけじゃなくって、ミシェル・ペトルチアーニの透明な音色が、実はすごいんじゃないか、って思ったりもしたのだけれどもね。
ただ。
綾戸智恵にも感じたのだけれど。
何度か聴くと、「おなじみの」と、「待ってました」の部分が大きくなるんだよね。
それは、MOVEに代表される、短音連打であり、山下洋輔張りのパラパラ、掌、肘打ちであり、カミロ張りの速弾きであり。
そのためのオリジナル曲であり。
でも。
オリジナル曲で埋めつくされた曲を聴いていくと、それが4ビートの古いジャズの範疇からは大きく外れた、でも魅力的な曲達であればあるほど。
ああ、上原ひろみで、スタンダード聴いてみたいなあ。
っていうのが、大きくなってくるんだよね。
コンサートの翌日、ジャズが好きで、何十年も週末には練習して年2回コンサートを開く旧友達と、上原ひろみについて話をしていたのだけれど。
「(東京公演を聴いた人は、)あの面子だもん、良いに決まってる」
「(いわゆるジャズを聴くとほっとする、という流れで)まだサイモンとやってるの。ジャズじゃないよ、それ」
「(ピアノ弾きは)曲芸はちょっと食傷気味。音の圧力の凄さは、ペトルチアーニが飛び抜ける。筋肉じゃないんだよね」
それでも、僕は、というよりみんな上原ひろみが好きだし、どこまで大きくなるか見てみたいと思うのだけれど。
秋吉敏子に迫ろう、という野望と価値観を抱くなら、聴かせて欲しいなあ。そろそろ。
圧倒的な、スタンダード集。
もちろん、インプロビゼーションこそがジャズである、っていうのも一理だし、それを愉しんでいる上での贅沢だけれども。
タモリの言う、「ジャズな人」。この部分も、見せて欲しいんだよね。
それが、魅力的に決まっているから、なおさら、ね。
ただ、それだけのはなし。
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