海のリビングとバーボン 〜kへ〜2023年08月26日


 暑いね。夏だね。


 バンドもやるアイドルグループがホストをしている音楽番組があって、僕はいつも録画して楽しみに見ているのだけれども。

 その番組の、海の歌特集で、鈴木鈴木っていう兄弟ユニットの「海のリビング」っていう歌が紹介されていたんだ。

 いつも一緒にいる男女のグループが、車に乗って海に行く、っていう日常をそのまま歌にしたような曲なんだけど。


 その中にね。

「♪4人乗りの車で走らす」っていう歌詞があって。4人乗りの車で走らす、湾岸線とか、海岸沿いとか、海のドライブの光景が続いていくんだけど。

 なんか、その言葉と、若い男女の眩しいmv見てたら、ちょっと鼻の奥が熱くなってきちゃったんだよね。


 クルマを4人乗せて走らせるのって、免許取り立てで、みんなとつるんでいる、学生時代の短いひととき、しかないよね。

 そのあとは二人乗りになったり、働き始めたら一人で乗ることが多くなったり。もちろん家族ができたら、4人で乗ることもあるのだろうけれど。

 だから、「4人乗りの車で走らす」のって、楽しいことしか考えない、後から振り返ると「あの頃」としか形容のしようがない一時期のこと、なんだよね。



 ちょうど、最近。

 僕と「あの頃」を一緒に過ごした友達ーーkって呼ぶけどーーが、亡くなったって知らせを受けたんだ。

 それで、いろいろなこと思い出してね。

 だから、4人乗りの車で涙流したって、許してくれるよね。


 kとはね、高校の部活が一緒で。

 一年遅れて僕が大学に入学して、免許をとってからは、いつも3人、時にはそれに誰かを加えて、狭い車に乗っていろんなところに行ったんだよね。

 あんまり海には行かなくて、山方面が多かったけれど。

 


 じいちゃんばあちゃんが住んでいた、築70年以上のオンボロの平屋が長野にあるのをいいことに、そこを拠点に乗鞍、上高地、美ヶ原、白馬やいろんなところに出没したり。

 テントを乗せて、北海道まで2週間の旅に出たり。

 「悲しみ本線日本海」を聴くためだけに北陸の海岸線走りに行ったり。

 レポート終わったからってkを呼び出して、夜中の箱根、芦ノ湖に満月のムーンリヴァーを見に行ったり。

 学生の頃は、違う大学に行っているのに、週末はいつも一緒にいたんだよね、3人で。



 その時には、もちろん鈴木鈴木の歌なんてまだなくて。カセットテープやcdでいつも聴いていたのは、BEGINのデビュー作、音楽旅団っていうアルバムに入っている、「Slidin' Slippin' Road」っていう歌だったなあ。

 

 ♪ろくでなし on the heaven

 今日のこと笑い飛ばして

 30になったとき

 うまいバーボン飲むのさ


 30になったって

 奴とバーボン飲むのさ♪


 今に比べたら、当時僕は全然お酒が飲めなかったのだけれど、この歌に憧れてバーボン飲んでは、消毒液臭い、って吐いてたんだ。

 当時、30になった時に飲むのか、30になっても飲むのか、そういうくだらない議論をしてたけど。

 30になった時にいいお酒飲むぞ、とは思ってたけど。30になっても奴とバーボン飲むのは、当たり前すぎて、疑いもしなかったんだよね。その頃は。



 でも、あの頃がずっと続かないのも当たり前すぎて。

 大学を卒業して、僕が金沢に引っ越した時には、二度ほど、遊びに来てくれたのかな。

 一度目は、実験に追われていた時期で、あんまり相手もできなかったので、勝手に観光させて帰らせちゃったんだよね。

 その時のことを、僕が地元の仲間に面白おかしく吹聴したんだろうね。あんまり覚えてないけれど。

 それからしばらくして、金沢のボロアパートの駐車場に停めてある僕のボログルマの助手席に、

「あることないこと言わないように」

 っていう手紙と、ブラントンっていう高級ウイスキーが一瓶、転がっていたんだ。それが二度目。その時はだから、kには会ってないんだよね。



 それから、何度会ったのかな。


 30になって、バーボン組み交わすことあったっけ?

 僕が、故郷を離れて金沢から大阪に来ちゃったからかな、お互いまめに連絡し合うような奴じゃなかったから、ほぼ音信不通が続いてて。


 最後に会ったのが、高校の部活の仲間がみんな50歳になる年に、部活の合宿で使った伊豆温泉宿にみんなで行こう、って言って集まった時だったね。

 30年ぶりくらいのやつも結構いて、それぞれの人生と30年以上前の演奏を肴に、語り明かしたのが、最後だったね。



 亡くなったのが2年以上前だってことだから、あの伊豆の夜から、そんなに経たないうちだったのかな。

 そんなに音信不通でも、何にも気にしない仲だから、亡くなったと言われても全然実感もなかったのだけれど。


 「k君のお墓は〇〇墓地です」

 っていう連絡は、応えたよ。

 kは、この世界からいなくなっただけじゃなくって、お墓の下にいるんだね。

 これまでのように、僕の近くにいない、それだけじゃなくって、お墓の下にいるんだ、本当に死んじゃったんだ、って。

 そう思ったら、初めて泣けてきた。



 kよ。
 あの頃を共に過ごした仲間として。
 お前はどんな人生を送ったんだ?
 幸せな瞬間が、たくさんあったのか?
 あの頃のことや、あの頃の仲間は、お前の人生の、糧になっていたのか?
 俺やあいつと、一緒にバーボン飲もうと思ったことはあったのか?

 俺は、
 決して強くはないけれど、
 少しはバーボン飲めるようになったよ。
 スキー場でお前が酔い潰れた時ほど飲んだら、やっぱりお前みたいに酔い潰れると思うけど、飲むだけは飲めるよ。

 二人で飲んでも、
 多分お前はほとんど喋らないから、結局二人して注いで飲んでを繰り返すだけになりそうだけど。
 でも、
 そういう時間を、持ちたかったよ。
 k。



 仲間が連れ立って、お前の墓参りを企んでいるんだ。

 僕は、行かないから。

 仲間の墓参りに合わせて、お前の置いて行ったブラントンか、うまいバーボンかわからないけれど。

 離れたところから献杯することにするよ。



 kよ。
 いつかいくから、待ってろ。
 行ったら、きのうも会ったような、なんでもないそぶりで、
 なんにも喋らず、
 静かに飲もう。ふたりで。

初めての一人旅 in the sky2017年03月05日

 ずっと昔から、思ってた気がするんだ。

 空を飛びたい、って。

 

 パラグライダーのムック本を買ってむさぼり読んでいたのは、もう四半世紀以上も前の学生時代だし。

 社会人になってからは、クルマが楽しくなっちゃったからか、ハワイのなんちゃってスカイダイビングでとりあえず満足したのか、長い間ずっとその衝動は芽を出さなかったのだけれども。

  5年ほど前になるのかな。白馬でのタンデムチャレンジに成功して、またむくっと、飛びたい欲が植えつけられて。

  

 きっかけはなんだったのか、良く覚えていないのだけれど。

 1年前の2月に、TAKさんに問い合わせのメールを送って、レッスンの体験をさせてもらったんだ。なぜかは憶えていないけれど、はじめることは決めていたから、タンデムは不要で、スクール選びのために体験を幾つか受けるつもりだった、のだけれど。

 結局、TAKさんの体験後に、他を受けずに入学を決めて。

 去年の4月2日に入学。

 11月にグライダーを購入して。

 そして、3月4日に、念願のFirst Solo Flightにこぎ着けたんだよ。

 


 今年の冬は、雪が多かったからね。

 グライダーを手に入れて、12月は毎週のように通って練習したけれど、飛ぶ機会には恵まれず。

 一月に入ると、スタッドレスを履いた車でもなかなかに躊躇するような気候が続いて。1月末に年明けはじめて訪れた講習場は雪景色。助走の路を踏み固めての立ち上げ練習も、雪山を登る疲労感でなかなか本数はこなせず。

 二月末の講習場はうって変わって一面緑で。冬になってから、吹き下ろしのフォローの風の中駆け下りる練習しか出来なかったけれど、この日はいい感じの向かい風。頭上安定、そこからの走り出し、のイメージを何度も復習して。

 

 そして、The day。

 3月4日。

 

 講習場での練習時間の10時にTAKさんに着いたら。

「First Solo Flight行くから、準備して」

 のお言葉。

 来る途中から、濃霧も晴れて来て。穏やかな晴れかたに、いけるかも、いけたらいいなあとは思っていたのだけれど。

 あわててフライトエリアの登録をして、荷物をスクールの車に移し替えて。

「上に行って忘れ物あったら下山ね」

 の言葉にびびりながら、とりあえず必要なモノのイメージを思い浮かべて。

 

 車の中では、降りる場所の写真を見ながら、降り方のイメトレ。

 中学校を目指して、川手前の竹藪の先端で周回して高度を落として。そこから川上を目指し、ランディング過ぎたら右、そして右。

 全ての行程には、カタカナで名前がついているのだけれど、一度学課で習ったその外来語が身についているはずもなく。

 ここで45度下にランディングが見えて、ここで30度下に見える、なんてのも、まあ何となく、くらいにしかわからず。

 

 車が峠のカーブを曲がるたび、路の脇に雪が増えていくたび、緊張感は否応なく高まっていって。

 

 これまで1年近く、山の斜面からパラを担いで駆け下り、時にはタンデムで山から飛ばしてもらいながら、憶えたことを想い出していったんだ。


 それは、たとえばこんな事。

 グライダーはなにもしなかったら、まっすぐ滑り降りていく。

 だから、飛び出してそのまま墜落、なんてことには(多分)ならない。

 降りるときの角度と速度は、講習場の短い斜面とだいたい一緒。だから、空から降りてくるからって、そんなに怖がることはない。

 危ないコンディションの時には飛ばさせない。だから、安心して斜面を駆け下りればいい。

 

 そんなこといっても、怖いんだけどね。

 ちょっとだけ、だけど。

 

 南テイクオフには、何人かの飛び待ちの人たちがいて。それでもテイクオフのためにグライダーを拡げている人はいなくって。

 もしかして、初心者のために待っててくれてたのかな。ありがとう。

 

 ザックから、ハーネスを取りだして、グライダーを袋から出して。手袋、ヘルメット、無線機はヘルメットにつながったのをハーネスに入れて、も一つを胸に固定して。あ、コードのアダプタがない。あれ、延長コードはあるのになあ。

 これは、その場にいた先輩パイロットのかたにかしてもらって。

 

 グライダーを拡げて、片側のラインチェックも皆さんに手伝ってもらって。

 あれよあれよという間に、準備完了。

 踏み出す斜面は急だけど、きっと大丈夫。

 

 よし、いくよ。

 向かい風が思ったより強かったのかな。立ち上げの時に少し後ずさったのは憶えているけれど。

 長野さんに助けられて、気がついたら足の下にはなんにもない。そう、空の上。

 いくつか数えて、足を上げてハーネスに座り直して。

 

 あたりを見渡せば、空と、山。

 下を見れば、尾根があって、田んぼがあって、川があって。

 川の手前に中学校の校庭があって。とすれば高度調整の目印はあの竹藪で、河を渡ったところが着陸地点、ランディング。

 

 ヘルメットからは、長野さんの声。少し左、っていってるのかな。

 左に行くには、右手を挙げて、左手を下げて。ついでに体重移動を、と。

 あれれ、おしりが全て体重移動が思ったように出来ない。そして、曲がらない。

 時々、空気の密度が違うのか、ちょっと揺れたりして。

 おーこえー。誰も助けてくれない。

 


 と思ったら、後ろから飛んでた正一郎さんと嫁のタンデムが視界に入ってきて。

 なんか言っているようだけど、聴こえないや。でも生きてるよー。

 

 おっとっと。中学校が遙か右に。右に行かなくっちゃ。なかなか曲がらないけど、まあいっか。空は広いし。

 

 中学校を目指すと、無線の声が、ランディングで待っている校長にかわって。

 川上から、川沿いに竹藪を目指して、そこで旋回。

 と思っていたら、竹藪通り越してまだまっすぐ。通り過ぎたところでUターンで、川を上って。追い風に乗っているから、景色の流れが速い。顔に感じる風は変わらないんだけどね。不思議。

 

 ランディングを通り過ぎてしばらくして、右旋回。駐車場の上から川までを何度か行き来して、さあ、ランディングへアプローチ。

 あれ、まだ高いんじゃない?

 

 とは思ったのだけど、もちろん、僕の目視よりも校長の判断の方が正しくって。

 なんと、初ランディング、無事に立ったまま着地できました。

 

 緊張してたんだろうね。時間見たり、Apple WatchのGPS記録したりするのを全て忘れていたけれど、だいたい7分くらいの飛行時間、らしい。

 もっと、ずっと長く感じたけどね。

 

 なんにもない空間に、ぽつんと浮かんでいて。でも、落ちていない。

 ずっと見てると、ほとんど変わらないのに、気がつくと違う景色が顔を出して。

 どこにでも行けそうなのに、その選択肢を手に入れるのには、もっともっとの経験が必要なのだろうけれど。

 

 それでも、楽しかったなあ。

 

 あ、念願のFisrt Solo Flightの日、もう一つ嬉しいことがあったんだよ。

 ずっと一緒に練習してきて、でも一人で飛ぶのが怖い、ってグライダーを手に入れるのを渋っていた嫁が、とうとう買う決意をしたんだ。自分のグライダー。

 自分と同じくらい鈍くさい旦那(俺)が、無事生還したから、安心したのかな。

 これで、これからも続けていけるね。二人で。

 

 はじめて飛んでみて。

 あらためて、いろんなヒトのお世話になっているんだなあ、って気がつきました。

 ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。

 

 ただ、それだけのはなし。



優柔不断のクルマ選び 〜ゴルフGTI/6MT、GTEに乗ったよ〜2015年12月15日

 このごろ、ずっと騒いでいたからかな。

 MTに乗りたい、MTに乗りたい、って。

 

 愛車の一年点検で、久しぶりに行ったフォルクスワーゲンのお店で、いい事聞いたんだよね。

 「今度の土日、ちょっと離れた隣の店に、いいクルマ来るんでっせ」って。

 え、いいクルマ? なになに?

 「旦那、ゴルフGTIでっせ。それも、なんと、MT」

 わーい。乗る乗る。予約して。

 

 っていう訳で、一週間後の予約を取ってもらって。うきうき。その次の日には、ロードスターの一日試乗もあるしね。うきうき。

 

 フォルクスワーゲンはね。あんなことが起こって。

 僕も、一瞬はなんかワーゲンの車乗っているのが恥ずかしいなあ、とか、思ったこともあったのだけれどもね。

 もちろん、やったことは悪い事で、それはしっかりと責任を取らなければいけないのだけれど。

 でも。

 カーグラかなんかに、松任谷さんが書いていたのだけれども。それでもワーゲンの作ってきた車、特にディーゼルに関係ない日本に来ているクルマが、きちんと作っていることは嘘じゃないし。今回、ワーゲンにCOTYの候補になっているクルマがあるみたいなんだけど、松任谷さんは、これはすごく良いクルマだけれども、僕のクライテリアではないので、これに投票はしない。出も、僕はこれを買う。クルマをきちんと評価できて、発信力のあるヒトが、今こそ風評被害からワーゲンを守るために行動するときではないか。

 なんか書いてて、こんなだったっけ、って思ってきたのだけれども。とにかく、ワーゲンのクルマがしっかり作ってあるのは、乗ってみたら分かるでしょ、ってな事を書いてあり。

 そんなこと、オーナーである僕がよく分かってるよ。って思ったら、なんか、がんばれフェルクスワーゲンモードになっちゃったんだよね。単純。

 

 という訳で、試乗に行って来たよ。ゴルフVII GTI/6MT。

 おっと、その前に。

 いつものお店とはちがう店に来ているから、僕はいつものお店にクルマを置いて、お店のヒトと一緒に別の車で行ったんだよね、ちょっと山の方にある、別のお店に。

 その時に乗ったのが、なんと。ゴルフVII GTE。来たばっかりの、プラグインハイブリッドのゴルフ。



 この車はね、プリウスなんかの、燃費燃費したハイブリッドではなく、あくまでもGTシリーズなんだよね。

 プラグインだから、ソケットから充電して、電気自動車として走るモードがあって。そのほか、もちろんハイブリッドとして、充電しながら走るモードと、GTモードとして、モーターの力はスピードのため、っていうモードがあるんだよね。

 ゴルフの、あの(僕のクルマに比べれば)重たいからだが、モーターだけでスーって走り出すのは、なかなかちょっと違和感があるのだけれど。

 そして、GTシリーズを名乗る割に、エンジンは1.4の、ハイラインとかと一緒のモノなんだと思うのだけれど。

 それでも、僕が一番多用したGTモードにすれば、スペック知らないけれど、小GTI乗りの僕でも、力持ち、って素直に思えるパワーと、EVにした時の静かさ。そして、いじり方が分からないからか、ずっと真ん中に表示されているEV効率とガソリンの燃費は、僕の小GTIよりもずっと良くって。

 ハイブリッドなんて、って思っていたけれど、まあ、実用車としては、あり、なんだよね。

 買うか、っていわれたら、即、買わない、って答えるけどね。

 プラグインの充電施設がマンションの駐車場にはないし、GTIが400万円、Rが550万円の中で、500万円は出せないよなあ。

 でも、ゴルフって、相変わらず、いいクルマ、なんだよね。

 

 という訳で、MTの置いてあるお店に着いて。振りのお客さんが試乗している、という事で、いつもと感じの違う、展示車の多いお店で待って。

 そして、いよいよ。

 ゴルフGTI 6MT。

 

 DSGのGTIは、でたときに乗らせてもらってね。僕がどんなちょっかいかけようがびくともしないで、にこにこしながら、でも速い。お兄さんのようなクルマ、だったよね。

 

 運転席に乗り込んで、クラッチを踏み込んだら、おっと、最後まで踏めない。

 きちんと椅子を前に出して。背もたれも少し起こして、マツダで習ったハンドル位置に近いことを確認して。

 左手を、ゴルフボールみたいなデコボコのある、丸いシフトノブにのせて。

 ちょっと動かしてみると。

 コキコキ、ではなく、もう少し柔らかくって、どこにもあたらないのだけれど、でも、しっかり思ったところに入る。

 昔、自動車雑誌で、「バターを切るような」って言う例えがあったけれど、冷蔵庫から出して少し置いておいたバターを切るような、そんなシフト感。

 なんていうか、口惜しいくらいに、自然。

 


 1速に入れて、おそるおそるクラッチをつなげてみると。

 クラッチのストロークが長いのか、エンジンの低速トルクがあるのか。全く危なげなく発進成功。久しぶりのMTだったから、少し緊張していたのだけれど、もう大丈夫。エンジンかけるときにかからなくて、「クラッチ踏まないとかからないですよ」っていわれたことも、過ぎたこと過ぎたこと。

 

 ちょっと山に近いお店だからね、込んでる幹線道路を外れると、すぐに走りやすい道。休日で空いている彩都の方に足を伸ばしてみたりして。

 本当に、すぐに馴染むクルマなんだよね。クラッチのストロークが長くて、ブレーキは結構手前でかかるんだけど、ブレーキだけ少し気を遣えば、もうずっとオーナーでいるような、そんな気分で、MTのゴルフ、満喫したよ。

 

 5年前にPolo GTIに初めて試乗したとき、「これがMTだったら、今すぐサインする」って言ったのを、想い出したよ。

 おっきな兄貴の包まれ感の中で、ちょっとしたスリルを安全に楽しめる。いいなあ。これ。

 

 そうそう、安全にで想い出したけど、帰りの新御堂で、ハンドルがなんか変な動きをして。高速域では車線を見分けてハンドル操作をしてくれるんだってね。高速道路だと、ありがたいんだろうね。

 

 この次の日、ロードスターに乗ったから余計感じるのだと思うけど、ゴルフって、乗り心地いいよね。

 

 乗らせてくれた別のお店の方、つれてってくれたいつものお店の方。ありがとうね。

 今はちょっと苦しい時期だと思うけれど、皆さんには全く落ち度がないってこと、心ある人はみんな知っているから、がんばってね。

 

 ただ、それだけのはなし。



優柔不断のクルマ選び 〜ロードスターMT 乗り倒し!!〜2015年12月08日


 さて。

 この前、マツダのディーラーに行ってロードスターに試乗してから。

 僕の中で盛り上がってるんだよね。ロードスター熱。MT熱が、ね。

 

 ただね。

 あんまり乗り物に強くない家人は、ロードスターにあまりいい印象を持っていないみたいで。ちょっと酔っちゃったからね。

 それは、久しぶりのMTのせいであり、あまりの楽しさにはしゃぎまくったせいであって、ロードスターのせいじゃないぞと、一生懸命なだめすかしてね。

 今度はそおっと、助手席に優しい運転をするから、って。説得の甲斐あって、もう一度、乗ることにしたんだよ。MTのロードスター。

 

 そして、なんと。

 今度は、丸一日。

 マツダのディーラーさん、太っ腹。

 ありがとね。

 

 という訳で、朝からわくわく。

 MTに慣れるのと、一人で思う存分ぶん回してみたくって、まずは一人でクルマを受け取りに行って。

 その足で、六甲山へ、Let's GO!!!


 

 トラックでいっぱいの幹線道路を抜けたところで、幌を開けてね。冬の、ピーカンの日差しを直に受けながら走るのって、楽しいね。街中でも。

 慣れないカーナビの見方が良く分からなくて、高速に乗りそびれてずっと下道で行ったのだけれども、それだって楽しいよね。

 窓を閉めると、結構あったかい首から下と、風が通って冷たい頭のてっぺんと。雲ひとつない空から容赦なく降り注ぐ、柔らかくてあたたかい陽の光と。

 

 もちろん、街中でも気持ちいいんだけれどもね。

 もう一度もちろん。山の中に入ったら、それはもう。

 ああ、こういうところを走るために生まれてきた車なんだよなあ。

 前の日に乗った別のMT車よりも、カチカチって、金属のゲージの中を動かしているのは分かるけど、だからって絶対にガリガリはしなさそうな、シンクロの容量すごいんだろうなあ、っていう気持ちのいいシフトを、コキコキと動かして。

 下から十分なトルクがあるエンジンを、良い音がする少し上まで廻してあげて。

 どんなにがんばっても、簡単にはキィーッて泣きそうにもないタイヤを感じながら、これまた良く効くブレーキとエンブレを交互に使って、誰もいない峠道を意味なく走り回って。

 

 軽い車体は、エンジンもブレーキも、大げさに構えなくたって良く効かせてくれるし。

 カーブひとつ回ったら、おしりのちょっと後ろを軸としてスッと回るの分かるし。

 ブレーキかけたら、4輪が同じ止まり方をするし。

 

 前に同じ道を走った、86みたいに、ABS効かせて突っ込んで、トラクションコントロールを効かせながらアクセルオンしなくっても、楽しい。

 ものすごく、楽しい。

 

 そうやって、六甲の道を何往復かしてから、ね。

 さすがに疲れて、あと片道だけ、と思って、ゆっくり走ったら。

 なんと。

 これが楽しい。

 

 木漏れ日を浴びながら、近く遠くの紅葉を眺めながら。道路のうねりを感じながら、エンジンの音でギアを選択しながら。

 そうやって、肩の力を抜いて走る。

 それが、ロードスターの楽しみ方なんだね。

 パワーなんて、無くていいじゃん。

 あるだけ使うのが、楽しいんだもの。

 

 むふふ。

 

 


あまりの楽しさに、忘れそうになっていたけれど。

 今日の目的は、家人を酔わずに乗せること。

 たっぷり一人で愉しんだから、あとは酔わない運転が出来るよ、きっと。

 

 家に帰って、普段は黒いPoloが停まっている駐車場に駐めてみて。低くて赤いロードスターが停まると、華やかな、でも、獰猛な野獣をつないでいるような、危険な雰囲気も出てきて。わーい、嬉しいなあ。

 

 家から、旅行鞄を持ち出してね、トランクの容量を確かめて。

 普段帰省に使っている鞄は、二人分入りそうだね。お土産まではいるかは微妙だけれども。

 それから、一人で乗っている時には全く気にならない、社内の収納のなさ。コートもセカンドバックも、みんなトランクなんだよね。サングラス外したら、どこに置こうかな。

 

 家人を拾って、今度は能勢の方に、阪神高速を飛ばしたよ。今日は初めての高速。

 環状線の時は全然気がつかなかったのだけれども。直線を飛ばすと、結構音が入るんだね。幌の風切り音と、ロードノイズ。

 おまけに、低い車高と丁寧に路面の凹凸を拾うサスと相まって。

 僕のPoloもお世辞にも静かな車、とは言えないのだけれども。

 これは相当に、スパルタンなクルマ、なのかなあ。

 特に、運転しない側のヒトにとっては、ね。

 

 前回の車酔いの記憶から、警戒心で身を強張らせている家人を見ると、やっぱり、家族の唯一の車、っていう位置づけは、難しいのかなあ。

 ちょっとしゅん。

 まあ、それでも。

 多少はMTになれてきたことと、午前中一人でぶん回して気が済んだことと、気を遣って運転したことで、車酔いはなかったみたい。良かったよ。

 

 車返して、ファミレスで夕食取っている頃から、僕も疲れてね。はしゃぎすぎで。

 200kmくらいしか走ってないのにね。これはスプリンターなんだ。間違ってもGTではないクルマなんだね。

 

 やっぱり難しいかなあ。ファミリーカーとしては。

 あ〜あ。駐車場の抽選、申し込んどけば良かったよなあ。

 今回乗ったS Specialパッケージじゃなくって、スタビのないSなら、もう少し柔らかいかなあ。

 

 2台持ちだと、どのくらい負担かなあ。

 考えること、増えちゃたよ。..

 

 それもまた、楽しいんだなあ。

 罪な、クルマ。

 

 そうそう、車返しに行ったら、COTY取ったんだって、ディーラーの兄ちゃんが教えてくれた。

 おめでとう。日本車だと3連覇だね。すごい。

 

 マツダディーラーの方、わがまま聞いてくれて、本当にありがとうございました。

 また、遊び行きますね。楽しい悩みは尽きないから、ね。

 

 ただ、それだけのはなし。


優柔不断のクルマ選び 〜マツダ車一気乗り!! CX-3、アテンザ、ロードスター〜2015年10月16日


 いいシーズンだよね。

 さすが体育の日、っていうか。

 

 ちょっと肌寒さを感じる、体育の日の三連休。

 インドア派の僕でも、ちょっと外に出たくなって。行ってきたよ。

 マツダのディーラーに。

 

 マツダの車、いいよね。

 かっこいいし、クリーンディーゼルだし、何よりスカイアクティブだし。

 SUVはあんまり視野に入らないから、CX-5とかあんまりぴんとこないのだけれど、アテンザ、アクセラ、CX-3はかっこいいよなあ。

 そして、もちろん。

 ロードスター。

 販売前の写真で虜になって。カーグラのTVや特集号買いあさって。ディーラーの展示車を眺めたりして。

 

 でも、乗りに行こう、って思わなかったんだよね。今まで。

 もうちょっと、機が熟すまで、待つべきじゃないのかな、って。

 我慢してた、んだけどね。

 

 まあ、夏休みがあって、5連休があって。この三連休は、そんなにがつがつ遊びにいく予定もないし。ちょっとお昼を食べに外に出たついでに、行ってみたよ。

 MT車のわりとありそうな、マツダのディラーさんへ。

 

 お目当てはね、ディーゼルエンジンと、ロードスター。

 

 VWの騒ぎがあって、Poloに乗っている僕も、肩身が狭い、訳でも無いのだけれども。ディーゼルエンジンは、なんか悪者にされているみたいで。

 クリーンディーゼルをがんばって作って、日本に広めようとしているマツダが、その割を食うのか、Made in Japanの底力を見せつけるかは、もうちょっと評価に時間がかかりそうなのだけれども。

 でも、昔に比べたら静かになめらかになって、低速トルクが豊かで、燃費も良いのなら、一度どんなモンかは試してみたいよね。

 

 という訳で、ディーゼルの二つのエンジン、乗ってきたよ。

 

 最初に乗ったのは、CX-3。1.5のディーゼルエンジン。AT車。


 マツダはね、クラスレスの質感を標榜していて。昔、トヨタの「いつかはクラウン」というコピーが作った、大きいクルマはステータスだ、っていう日本人に染みついた感覚を、どうにかして取り払おうとがんばってるんだ。

 つまり、リッターカークラスのデミオ、そのSUV版のように見えるCX-3でも、いい歳したおっさんが堂々と乗れる質感、っていうこと。

 内装の革の使い方とか、まさに高級感。

 エンジンはね、まあ、1.5だなあ、と。

 トルクは豊かなんだけど、アクセル踏んだ2.3秒あとに、カラカラと音をたてながら盛り上がってくる感じで。もちろん、同じ1.5でも、GWにレンタカーで借りたアクセラの1.5ガソリン車とは全く違うのだけれども。僕の乗っている1.4のツインチャージャーに慣れている身体では、なかなか刺激が無いなあ。

 刺激を求める車じゃないのだけど、ね。もともと。

 

 お次は、2.2ディーゼル。アテンザワゴン。

 

 いやあ。

 これはすごい。

 アテンザは、マツダのフラッグシップだからね。如何にクラスレス、といいながらも、やっぱりフラッグシップの高級感はすごい。

 外見の押し出しもさることながら、静かさ、アクセルに直結してもりもり湧いてくるトルク、路面の凹凸の上品な拾い方。

 いやあ。アテンザすごい。

 ただ、でかいんだよね。幅も広いし、長い。ワゴンなげー、って思ってたら、もし購入を考えるとするなら選ぶだろうセダンは、なんと、もっと長いんだね。後部座席にも配慮した結果で、ホイールベースも長いらしい。

 もちろん、それを含めての高級感、なんだけどね。でかいなあ。

 でも、いいなあ。これ。

 

 同じエンジンを積んだアクセラは、アクセラの中では最上級グレードで、それもかなりの高級グレードと言うことで、値段はあんまり変わらないらしいんだけどね、アテンザと。

 でも、扱いやすい大きさだし、ちっちゃいボディーにこのエンジンMTで、っていうのも面白そうだよね。

 ただ、このエンジン、というかこのクルマ、スポーティって言うより重厚、って感じだよね。そこまで大人になれるかなあ、僕。

 

 という事で、ディーゼルエンジン比べたあとは。

 お待ちかねの、ロードスター。スペシャルパッケージ。MT。

 


 いやはや。

 参りました。

 

 さっきの2台は、ディーラーの方が後ろのに乗ってくれて、試乗コースとしては結構長めのコースに行かせてくれたのだけれども。

 二人乗りのロードスターは、なんと。

 二人で勝手に、どこに行ってもいいですよ。1時間くらいで帰ってきてね。って。

 はじめて来た振りの客に、なんて太っ腹。マツダ。

 

 という事で、行ってきました。フリードライブ with ロードスター。

 MT久しぶりだから、一回駐車場をぐるっと回らせてもらってから、ね。

 

 ロードスターは、2代目の頃にちょっと試乗した以来かな。先輩が持っていた初代も、運転はさせてもらわなかったし。

 

 下道をちょっと走って。

 信号待ちで幌を空けて。

 空港をぐるぐる回って。幌閉めて。

 阪神高速をぐるぐる回って。

 家の前通って、ディーラまで、1時間半くらいかな、結局。

 

 うふふ。

 

 うふふ。

 

 この車のエンジンは、1.5のガソリンで。

 GWにレンタで借りて、「走らねー」っていいながら乗っていたアクセラのエンジンがベースなのだけれど。

 1トンって軽い車体と、MTの気持ちよさと。オープンの開放感と。

 多分、スカイアクティブが狙う人馬一体感。それは運転のしやすい姿勢であったり、FRの頭の軽さだったり、直接聞こえてくるエンジン音だったり。

 信号で待ってると、隣から感じる視線であったり。

 信号待ちのたびに開閉できるくらい簡単な、クローズとオープンの切替であったり、オープンでもそんなに巻き込まない風であったり。

 

 うふふ。

 

 これ、欲しい。

 

 がんばれば、中くらいの旅行鞄二つは積めるトランクであったり、ちっちゃめのセカンドバッグならどうにか入りそうな収納であったり。

 機密性や音もそんなに気にならない厚みのある幌であったり。

 実用性だって、無い訳じゃないし。

 

 うふふ。

 これ、欲しい。

 

 いかんいかん。妄想が止まらない。

 

 

 でもね。

 今回一番びっくりしたのは。

 アテンザの高級感でも、大きさを感じさせない運転のしやすさでもなく。

 ロードスターの楽しさでもなく(いや、これが一番かも、、)

 

 マツダのディーラーって、すごい。

 前の車を選んでいた5年くらい前、一度別のディーラーに行ったけど、その時とは全くの別物。

 

 予約もせずに振りで行った、1年以上購入予定無いよ、っていっている客に、試乗車3台も用意してくれて、ロードスターはフリーで乗らせてくれて。

 ついてくれたお兄ちゃんは、ホントに良くクルマのこと知ってて。マツダ車に誇りを持っていて。

 すごいなあ。

 

 ありがとね。

 

 あれ以来、僕の頭の中では、ロードスター、ロードスターってシュプレヒコールが鳴り止まないよ。

 いつか、迎えに来るからね。

 

 それまで、待っててね。

 マツダの車たち。

 

 ただ、それだけのはなし。