オオウエのハルサイ arch.7 ― 2004年04月23日
なんだろう。
めちゃくちゃ楽しみにしてたんだけどね。この演奏会。
でも、ちっとも楽しめなかったよ。
なんでだろう。
僕はもう、オオウエエイジに飽きちゃったのかな。そうではない、って祈りたい気分だよ。
オオウエエイジの2年目は、なんとファジル・サイのハルサイ。ではなくて、ファジル・サイとハルサイ。サイのソロピアノ(実際にはオーバーダブだけど)による春の祭典がすごくおもしろくて、クラッシックのピアニストなんてどれもこれも区別つかない僕にとってはアンドレ・ワッツと並ぶアイドル。とはいえこの一枚しか持っていないのだけれども。
演奏の細かいところは分からないけれども、ソロでハルサイに挑む破天荒さとか、エネルギッシュでのりの良い演奏とか。僕の中ではサイはクラッシック界のミシェル・カミノ。ラテン系パラパラピアニスト。
サイが人気なのか、春の祭典が人気なのかは知らないけれど、ずいぶん前からチケットは売り切れ。おめでとうさん。
一週間ぶりのオオウエエイジ。どんな音を聴かせてくれるのかな。
一曲目は、ラヴェル。しかもラ・ヴァルス。もちろんラヴェル管弦楽曲集とかにはもれなくついてくるんだけど、単独で聴くのは初めてかな。
オオウエエイジの指揮するでっかいオケの奏でる、たゆたう大波。それはそれでいいんだけど、なんか僕のイメージのラヴェルとはちがう。低弦を中心に波が揺れるのはよく解るのだけれども、その上にはじける白い波頭が見えてこないんだなあ。
点睛を欠くというか、なんか一つアクセントが物足りない。これがバレエ音楽だ、っていうのもあるのかも知れないけれど、あるべきモノが一つ足りない、っていう感じかな。色彩の変化に乏しい。もしかしてドビュッシーみたいなのを期待してるからなのかな、僕が。
もう少し小さめの編成でかちっとやったら色気も出てくるのかな、って思ってしまいました。
続くサイは、なんとベートーヴェン。
最初にプログラム見た時には特に違和感もなかったのだけれども、先週のベートーヴェンを聴いちゃったからね。あのシリアスなアプローチに、なんでサイ? って思ってしまうよね。
もちろん僕の耳にはホントの所は分からないし、サイがおちゃらけて弾いている訳でもないんだけど。はっきりしたタッチの演奏は好きだしね。
だからイメージはともかく、曲は楽しめました。右手だけで弾きながら、左手を挙げてなにかを求めるサイ。それはテンポであったりもっと、もっとといっているようであったりしてどことなく艶っぽい。ここでもオオウエは、やっぱりシリアスな顔して振ってた様子。後ろからだとよくは解らないけれど、時折見せる横顔の頬のあたりがシャープでした。
アンコールは、キラキラ星変奏曲。これモーツァルトなの? サイの即興にしては変奏が古くさいな、というかジャズ系じゃないなとは思っていたのだけれども、元ネタのある曲だったとは知りませんでした。選曲がサイらしいとは思うけど、もっとはじけて欲しかったな、それなら。
さて、二部。
ハルサイ。
ちょっと隣のお客さんがね、なんかしらんけど演奏中に一生懸命メモを取っている。ここぞ、っていう時に必ずメモを取る動きをするから、気が散って全然集中できなくって。今回トーンダウンしてるのはそのせいもかなりあるんだ、ごめんなさいね。
ハルサイは前に一度、京都市響だかどっかで聴いたことがあって、その時にはもう、大興奮。今回のオオウエではもちろんさらなる大興奮に連れて行ってくれるんだろう、って思ってたんだけどね。
冒頭、ファゴット。
もちろんこのファゴットのフラジオは難しい、らしい。僕も管楽器奏者の端くれだから、音階表にない音を出すのは至難だってことは分かってる。ただ、僕の持ってるCDだと、録音のせいもあって違和感なく聴けちゃうから、そのことを良く忘れるんだよね。
今回のファゴット、そのことを思い出したよ。同時に初演時に客が笑い出した、ってことも。
いや、演奏が悪いっていう訳ではないんだよ。ただ、苦労しているのがよく解って、リアル。
そう、オオウエのハルサイは、とってもリアル。いろんなパーツやリズムやテンポを組み合わせて、演奏するのはとっても難しそうなんだけど、その難しさがリアルに伝わってくる。
遅めにとったテンポが、それにのりの悪さまで加えてしまって。
具体的にはソロとソロのテンポ感のつながりが悪い、トゥッティとソロのバランスのつながりが悪い。いろんなソロが出てきて進行する曲を、一つの流れとして捉えることが出来なかったんだよね、最後まで。
もちろんイングリッシュホルンのソロは素晴らしいし、ティンパニは決まるし、トゥッティの迫力は相変わらずなんだけど、テンポが遅いからみんなこわごわにきこえちゃう。
つまりは、リハーサル見せられてる、って感じ。
もちろん会場は大盛り上がりで、オオウエエイジもしてやったりって顔してたから、たぶんいい演奏で、取り残されてるのは僕だけだったのだろうけれど。
僕だって、隣のメモ氏がいなかったらもっと楽しめたのに、とは思うのだけれども。
それでも、オオウエエイジならば無条件で僕らを楽しませ続けてくれる、と無邪気に信じることは、もう僕には出来ないな。
もちろん、次のブルックナーでそれを思い知らされるよりは何百倍もよかったのだけれどもね。
ところで冒頭のファゴット、一部分完全に落ちた? そういう譜面なのかな。スコア売っちゃったから確認できないんだけど、しばらくしたらCD聴いてみよ。
2004年4月23日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第377回定期演奏会
大植 英次:指揮
ファジル・サイ:ピアノ
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番
ストラヴィンスキー:春の祭典
めちゃくちゃ楽しみにしてたんだけどね。この演奏会。
でも、ちっとも楽しめなかったよ。
なんでだろう。
僕はもう、オオウエエイジに飽きちゃったのかな。そうではない、って祈りたい気分だよ。
オオウエエイジの2年目は、なんとファジル・サイのハルサイ。ではなくて、ファジル・サイとハルサイ。サイのソロピアノ(実際にはオーバーダブだけど)による春の祭典がすごくおもしろくて、クラッシックのピアニストなんてどれもこれも区別つかない僕にとってはアンドレ・ワッツと並ぶアイドル。とはいえこの一枚しか持っていないのだけれども。
演奏の細かいところは分からないけれども、ソロでハルサイに挑む破天荒さとか、エネルギッシュでのりの良い演奏とか。僕の中ではサイはクラッシック界のミシェル・カミノ。ラテン系パラパラピアニスト。
サイが人気なのか、春の祭典が人気なのかは知らないけれど、ずいぶん前からチケットは売り切れ。おめでとうさん。
一週間ぶりのオオウエエイジ。どんな音を聴かせてくれるのかな。
一曲目は、ラヴェル。しかもラ・ヴァルス。もちろんラヴェル管弦楽曲集とかにはもれなくついてくるんだけど、単独で聴くのは初めてかな。
オオウエエイジの指揮するでっかいオケの奏でる、たゆたう大波。それはそれでいいんだけど、なんか僕のイメージのラヴェルとはちがう。低弦を中心に波が揺れるのはよく解るのだけれども、その上にはじける白い波頭が見えてこないんだなあ。
点睛を欠くというか、なんか一つアクセントが物足りない。これがバレエ音楽だ、っていうのもあるのかも知れないけれど、あるべきモノが一つ足りない、っていう感じかな。色彩の変化に乏しい。もしかしてドビュッシーみたいなのを期待してるからなのかな、僕が。
もう少し小さめの編成でかちっとやったら色気も出てくるのかな、って思ってしまいました。
続くサイは、なんとベートーヴェン。
最初にプログラム見た時には特に違和感もなかったのだけれども、先週のベートーヴェンを聴いちゃったからね。あのシリアスなアプローチに、なんでサイ? って思ってしまうよね。
もちろん僕の耳にはホントの所は分からないし、サイがおちゃらけて弾いている訳でもないんだけど。はっきりしたタッチの演奏は好きだしね。
だからイメージはともかく、曲は楽しめました。右手だけで弾きながら、左手を挙げてなにかを求めるサイ。それはテンポであったりもっと、もっとといっているようであったりしてどことなく艶っぽい。ここでもオオウエは、やっぱりシリアスな顔して振ってた様子。後ろからだとよくは解らないけれど、時折見せる横顔の頬のあたりがシャープでした。
アンコールは、キラキラ星変奏曲。これモーツァルトなの? サイの即興にしては変奏が古くさいな、というかジャズ系じゃないなとは思っていたのだけれども、元ネタのある曲だったとは知りませんでした。選曲がサイらしいとは思うけど、もっとはじけて欲しかったな、それなら。
さて、二部。
ハルサイ。
ちょっと隣のお客さんがね、なんかしらんけど演奏中に一生懸命メモを取っている。ここぞ、っていう時に必ずメモを取る動きをするから、気が散って全然集中できなくって。今回トーンダウンしてるのはそのせいもかなりあるんだ、ごめんなさいね。
ハルサイは前に一度、京都市響だかどっかで聴いたことがあって、その時にはもう、大興奮。今回のオオウエではもちろんさらなる大興奮に連れて行ってくれるんだろう、って思ってたんだけどね。
冒頭、ファゴット。
もちろんこのファゴットのフラジオは難しい、らしい。僕も管楽器奏者の端くれだから、音階表にない音を出すのは至難だってことは分かってる。ただ、僕の持ってるCDだと、録音のせいもあって違和感なく聴けちゃうから、そのことを良く忘れるんだよね。
今回のファゴット、そのことを思い出したよ。同時に初演時に客が笑い出した、ってことも。
いや、演奏が悪いっていう訳ではないんだよ。ただ、苦労しているのがよく解って、リアル。
そう、オオウエのハルサイは、とってもリアル。いろんなパーツやリズムやテンポを組み合わせて、演奏するのはとっても難しそうなんだけど、その難しさがリアルに伝わってくる。
遅めにとったテンポが、それにのりの悪さまで加えてしまって。
具体的にはソロとソロのテンポ感のつながりが悪い、トゥッティとソロのバランスのつながりが悪い。いろんなソロが出てきて進行する曲を、一つの流れとして捉えることが出来なかったんだよね、最後まで。
もちろんイングリッシュホルンのソロは素晴らしいし、ティンパニは決まるし、トゥッティの迫力は相変わらずなんだけど、テンポが遅いからみんなこわごわにきこえちゃう。
つまりは、リハーサル見せられてる、って感じ。
もちろん会場は大盛り上がりで、オオウエエイジもしてやったりって顔してたから、たぶんいい演奏で、取り残されてるのは僕だけだったのだろうけれど。
僕だって、隣のメモ氏がいなかったらもっと楽しめたのに、とは思うのだけれども。
それでも、オオウエエイジならば無条件で僕らを楽しませ続けてくれる、と無邪気に信じることは、もう僕には出来ないな。
もちろん、次のブルックナーでそれを思い知らされるよりは何百倍もよかったのだけれどもね。
ところで冒頭のファゴット、一部分完全に落ちた? そういう譜面なのかな。スコア売っちゃったから確認できないんだけど、しばらくしたらCD聴いてみよ。
2004年4月23日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第377回定期演奏会
大植 英次:指揮
ファジル・サイ:ピアノ
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ラヴェル:ラ・ヴァルス
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第3番
ストラヴィンスキー:春の祭典
オオウエの巨人 arch.6 ― 2004年04月16日
めずらしいね。というか、初めてのオオウエの単発コンサート。曲はお気楽極楽系の巨人。と来ればそりゃあもうやることは決まってるでしょ。
という訳で、ひさびさのクワイア席。サドの松とじいさんのチャイコ。それ以来。
かなり心配だったんだよね。客の入り。チャリティーコンサートっていうことで、宣伝も手弁当らしく、大手のチケット会社で大宣伝、っていう訳に行かなかったみたいだからね。僕が買ったのも発売からかなり経ってたけど選び放題だったし。じいさんの南海コンサートのブル4の時もがらがらだったから、その記憶がずっと残ってた。
でも、ホントびっくりしたんだけど、なんとほぼ満員。三階のバルコニーが空いてるくらい。しかも直前に関係者にばらまいた、みたいな客層ではなくって(見た感じはね)。
そして、僕の席は、クワイア席の一番前。ちょっと乗り出して下を見ると、そこにはでっかいシンバルが鎮座してた。まあ音響はこの際おいといて、今日はオオウエの指揮をこっちから見ることだよね、やっぱり。
さて、オケが入って、コンマスが入って。今日のコンマスは、外人さん。どっから連れてきたんだろう。まさか6月のハノーファの人がもう来てる、訳ないよね。ちなみにファゴットともう一人くらい外人さんがいたんだけど、どこだったっけ? コンマスの横だったっけ。
このコンマスのチューニングは、オーボエから音を貰うことをしないで、最初は管にやらせといて、そのあと自分のチューニングをする、って感じ。まあどうでもいいんだけどね。
さて、オオウエエイジがいつもの通りにこにこ、颯爽と登場。
かと思ったんだけどね。そうじゃなかった。親知らずが痛むのかと思うくらい深刻な顔して入ってきて、そのまま振り下ろした棒から出てきた音は。
なんと。
今日のメインはもちろんマーラーで。その前のベートーヴェンの序曲とモーツァルト。そこはいわゆる名曲コンサートだろう、って勝手に思っていたのだけれども。
こんな曲だったんだ。エグモント序曲。こんなに、おっきくて、ヘヴィーで。こんなに堂々として。どっからどう切り取ってもベートーヴェン。
そして、オオウエは。ベートーヴェンを全然茶化さない。生真面目に、真摯に、がっぷり四つに組んで。
僕から見てステージの彼方のコントラバスがうなりを上げる。オオウエは笑わない。僕は目がにじむ。
テレビに映るオオウエエイジの指揮ぶりも、やっぱりにこにこだったからだまされたけど、もしかしていつもこんなにシリアスな顔で指揮してるんだろうか。僕らはイメージにだまされたんだろうか、って思わず思ったよ。
もしかしたらオオウエエイジはベートーヴェンを軽視してるんじゃないか、って思ってた。だって2年間定期で取り上げないし。「指揮者たるモノ、自分の楽団を持ったら何はともあれベートーヴェン全曲」と言い切った指揮者の後任にしては非常に物足りなかったんだよね。
今までは、ね。
でも、分かったよ。たぶんオオウエは怖いんだね。ベートーヴェンが。大フィルでベートーヴェンを振るのが。いつか決心が付いたら、聴かせてね、オオウエのベートーヴェン。
その前に名古屋にハノーファの英雄、聴きにいっちゃおうかな。
そんなことを考えた、もうけもののベートーヴェン。これ一曲でメインになるよ。
そのあとのヴァイオリンはね。これはしょうがないのだけれども、ソロの最初の一音がした時に初めて分かったよ。ヴァイオリンも前に音が飛んでいく楽器なんだ、って。つまり音が迫ってこなかったんだよね、背中から聴いてると。これはこの席を選んだ僕のせいで、和波さんのせいでは全くないのだけれどもね。
アンコールのバッハ。これは諏訪内さんがやったのと同じ曲だけど、やっぱりテンポがばたばたするんだね。こういう曲なのかな。だったら気持ちよくないな。
休憩のあと、私服に着替えた和波さんとオオウエエイジがマイクを持って現れた。視覚障碍者のためのアメリカでのボランティア活動を紹介したりした。
そして、マーラー。
もう、いいよね。今までのオオウエエイジの演奏を見てきた僕らがイメージするそのままの巨人。さっきのシリアスさはどこに行ったのかと思うほどの表情豊かなオオウエエイジ。「歌謡曲」といわれた唄いまくる交響曲。そしてスペクタクル。舞台裏のラッパ。木管のベルアップ。ホルンのスタンドアップ。そりゃあもう大騒ぎさ。
その中で、おもしろいモノを見つけたよ。休憩時間、僕の目の前に置かれていた閉じたパート譜。よく見ると、右からTrb4、Trp5って書いてある。位置的には、普通の席からステージに向かって、後段左側にホルンの島があって、そこから右にラッパ、トロンボン、チューバと並ぶんだけど、そのホルンとラッパの間。
休憩が終わって、オケが入っても、ラッパの2から4は空いたまま。空席3個を挟んで両端にラッパ。その外側にトロンボン。なんかヘン。
3人のラッパは、袖での出番が終わってステージに来て演奏してるんだけど、Trb4、Trp5の二人はぴくりとも動かない。曲もかなり進んで、みんながパート譜をめくるのに忙しくなっても、その二人だけ表紙のまま。
あれ、なんだろ、ってよく見てみるとね。1楽章、休み。2楽章、休み。3楽章、休み。って書いてある。しかも終楽章も最後のちょっとくらいしか譜面がない。
巨人の終楽章なんてそりゃあもうお祭り騒ぎだから、ここで終わってもおかしくない、っていう場面がいっぱいあるんだけれども、あの二人が動いてないからまだ終わりじゃないぞ、って、だまされずにすんだよ。っていうか曲知ってろよ、俺。
そうして、我慢に我慢を重ねてその二人が初めて音を出したのは、なんとホルンのスタンドの場面だったんだよね。それも一緒に立って。なるほど、ホルンにしては輪郭のくっきりした音は、こうやって作るのか。
この二人は、カーテンコールでも立たせてもらえなかったんだけど、僕はちゃんと見てたよ。ご苦労様。
さて、やっと間に合った。明日は同じくオオウエのハルサイ。めっちゃ楽しみ。わーい。
2004年4月16日
第22回 日本ライトハウスチャリティーコンサート
大植英次:指揮
和波孝禧:ヴァイオリン
大阪フィルハーモニー交響楽団
ザ・シンフォニーホール 2階W列24番 一般席
ベートーヴェン:劇音楽 エグモント 序曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番
マーラー:交響曲 第1番 巨人
という訳で、ひさびさのクワイア席。サドの松とじいさんのチャイコ。それ以来。
かなり心配だったんだよね。客の入り。チャリティーコンサートっていうことで、宣伝も手弁当らしく、大手のチケット会社で大宣伝、っていう訳に行かなかったみたいだからね。僕が買ったのも発売からかなり経ってたけど選び放題だったし。じいさんの南海コンサートのブル4の時もがらがらだったから、その記憶がずっと残ってた。
でも、ホントびっくりしたんだけど、なんとほぼ満員。三階のバルコニーが空いてるくらい。しかも直前に関係者にばらまいた、みたいな客層ではなくって(見た感じはね)。
そして、僕の席は、クワイア席の一番前。ちょっと乗り出して下を見ると、そこにはでっかいシンバルが鎮座してた。まあ音響はこの際おいといて、今日はオオウエの指揮をこっちから見ることだよね、やっぱり。
さて、オケが入って、コンマスが入って。今日のコンマスは、外人さん。どっから連れてきたんだろう。まさか6月のハノーファの人がもう来てる、訳ないよね。ちなみにファゴットともう一人くらい外人さんがいたんだけど、どこだったっけ? コンマスの横だったっけ。
このコンマスのチューニングは、オーボエから音を貰うことをしないで、最初は管にやらせといて、そのあと自分のチューニングをする、って感じ。まあどうでもいいんだけどね。
さて、オオウエエイジがいつもの通りにこにこ、颯爽と登場。
かと思ったんだけどね。そうじゃなかった。親知らずが痛むのかと思うくらい深刻な顔して入ってきて、そのまま振り下ろした棒から出てきた音は。
なんと。
今日のメインはもちろんマーラーで。その前のベートーヴェンの序曲とモーツァルト。そこはいわゆる名曲コンサートだろう、って勝手に思っていたのだけれども。
こんな曲だったんだ。エグモント序曲。こんなに、おっきくて、ヘヴィーで。こんなに堂々として。どっからどう切り取ってもベートーヴェン。
そして、オオウエは。ベートーヴェンを全然茶化さない。生真面目に、真摯に、がっぷり四つに組んで。
僕から見てステージの彼方のコントラバスがうなりを上げる。オオウエは笑わない。僕は目がにじむ。
テレビに映るオオウエエイジの指揮ぶりも、やっぱりにこにこだったからだまされたけど、もしかしていつもこんなにシリアスな顔で指揮してるんだろうか。僕らはイメージにだまされたんだろうか、って思わず思ったよ。
もしかしたらオオウエエイジはベートーヴェンを軽視してるんじゃないか、って思ってた。だって2年間定期で取り上げないし。「指揮者たるモノ、自分の楽団を持ったら何はともあれベートーヴェン全曲」と言い切った指揮者の後任にしては非常に物足りなかったんだよね。
今までは、ね。
でも、分かったよ。たぶんオオウエは怖いんだね。ベートーヴェンが。大フィルでベートーヴェンを振るのが。いつか決心が付いたら、聴かせてね、オオウエのベートーヴェン。
その前に名古屋にハノーファの英雄、聴きにいっちゃおうかな。
そんなことを考えた、もうけもののベートーヴェン。これ一曲でメインになるよ。
そのあとのヴァイオリンはね。これはしょうがないのだけれども、ソロの最初の一音がした時に初めて分かったよ。ヴァイオリンも前に音が飛んでいく楽器なんだ、って。つまり音が迫ってこなかったんだよね、背中から聴いてると。これはこの席を選んだ僕のせいで、和波さんのせいでは全くないのだけれどもね。
アンコールのバッハ。これは諏訪内さんがやったのと同じ曲だけど、やっぱりテンポがばたばたするんだね。こういう曲なのかな。だったら気持ちよくないな。
休憩のあと、私服に着替えた和波さんとオオウエエイジがマイクを持って現れた。視覚障碍者のためのアメリカでのボランティア活動を紹介したりした。
そして、マーラー。
もう、いいよね。今までのオオウエエイジの演奏を見てきた僕らがイメージするそのままの巨人。さっきのシリアスさはどこに行ったのかと思うほどの表情豊かなオオウエエイジ。「歌謡曲」といわれた唄いまくる交響曲。そしてスペクタクル。舞台裏のラッパ。木管のベルアップ。ホルンのスタンドアップ。そりゃあもう大騒ぎさ。
その中で、おもしろいモノを見つけたよ。休憩時間、僕の目の前に置かれていた閉じたパート譜。よく見ると、右からTrb4、Trp5って書いてある。位置的には、普通の席からステージに向かって、後段左側にホルンの島があって、そこから右にラッパ、トロンボン、チューバと並ぶんだけど、そのホルンとラッパの間。
休憩が終わって、オケが入っても、ラッパの2から4は空いたまま。空席3個を挟んで両端にラッパ。その外側にトロンボン。なんかヘン。
3人のラッパは、袖での出番が終わってステージに来て演奏してるんだけど、Trb4、Trp5の二人はぴくりとも動かない。曲もかなり進んで、みんながパート譜をめくるのに忙しくなっても、その二人だけ表紙のまま。
あれ、なんだろ、ってよく見てみるとね。1楽章、休み。2楽章、休み。3楽章、休み。って書いてある。しかも終楽章も最後のちょっとくらいしか譜面がない。
巨人の終楽章なんてそりゃあもうお祭り騒ぎだから、ここで終わってもおかしくない、っていう場面がいっぱいあるんだけれども、あの二人が動いてないからまだ終わりじゃないぞ、って、だまされずにすんだよ。っていうか曲知ってろよ、俺。
そうして、我慢に我慢を重ねてその二人が初めて音を出したのは、なんとホルンのスタンドの場面だったんだよね。それも一緒に立って。なるほど、ホルンにしては輪郭のくっきりした音は、こうやって作るのか。
この二人は、カーテンコールでも立たせてもらえなかったんだけど、僕はちゃんと見てたよ。ご苦労様。
さて、やっと間に合った。明日は同じくオオウエのハルサイ。めっちゃ楽しみ。わーい。
2004年4月16日
第22回 日本ライトハウスチャリティーコンサート
大植英次:指揮
和波孝禧:ヴァイオリン
大阪フィルハーモニー交響楽団
ザ・シンフォニーホール 2階W列24番 一般席
ベートーヴェン:劇音楽 エグモント 序曲
モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第3番
マーラー:交響曲 第1番 巨人
オオウエエイジのレニングラード arch.5 ― 2004年02月13日
ひさびさに、その日のうちに書くよ。
オオウエエイジ就任一年目、10回の定期演奏会のうち4回をオオウエエイジが振ったのだけれども、今回がその4回目。そして日曜日以来、5日ぶりのオオウエエイジ。
日曜はファミリーコンサートだったから、ちまちました曲をたくさん演奏したのだけれども、今回はひさびさ、大曲一曲勝負。聴く方も気合いが入るよね。
僕の持っているショスタコは、バルシャイの交響曲全集。ショスタコの場合は交響曲と言っても伝統的なフォーマットに乗っていないことが多くって、比較的伝統的な4番から9番くらいをBGMに連続演奏することがあるくらいかな。今回の7番も、この2週間くらいで何回かBGMにした程度。派手な曲だな、っていうくらいのイメージを抱いて、2週間ぶりのシンフォニーホール。
前回は1日目に変わってもらったから、ひさびさの通し席。別に思い入れはないのだけれども。
ぎりぎり近くに入ったホール。ステージではラッパの音だしが金切り声を上げていて。
プログラムにざっと目を通してたらもうコンマス入場。
プログラムしまってステージ見ると。ちょっとびっくり。
この前もおっきい編成でなんて書いたけど、それとは桁違いな編成。ホルン7は驚かないけれども、ラッパ6、トロンボンは、チューバを挟んで3、3の6。変な並び方やなあ、アシやろか。パーカッションも7。ハープ2にピアノ。木管もコントラファゴットからバスクラから、もうずらり。
レニングラードやからね。いけいけ好戦交響曲なんやろか。
驚いているうちに入ってきたコンマスは、日曜に引き続き若いあんちゃん。ゲストコンマスってプログラムにも載ってた。梅沢さんが隣にいるから一安心。にいちゃんコンマスは緊張してるのか、どことなくぎこちなくチューニングを済ませて。
9割以上埋まったホールに、オオウエエイジが入ってきた。
いつもの通り、さわやかな笑顔を振りまいて、レニングラードが始まった。
僕は、この曲を好きかと言われたら、迷うよ。
うなりを上げる弦楽器で始まったこの曲は、なんていうんだろう、気持ちよくない。もちろん総勢20人のブラスは吼えるし、ティンパニも強烈なんだけど、爽快じゃない。
全音符で突っ張る不協和音。急に弦楽だけのアンサンブルになり、ビートを失う頼りなさ。そして推定ピアノ36個級のピアニッシモでボレロのようにリズムを刻むスネアドラム。
どれもこれもが、不安と不快をかき立てて、夢見心地にはしてくれない。
でも、耳をふさげない、目を逸らせない。息も出来ない緊張感に引きずり込まれていく。
圧巻はスネアドラム。最初、袖でたたいてるのかと思った。7人並んだパーカッション、誰も動いてないんだもん。誰が叩いてるんだろう、って目は探すけれども、誰も動かない。カーテン3枚の向こう側で叩いてるくらいの、微かな音量、でもクリアな音。
延々と続くスネアドラム。観客に身じろぎを許さない緊張感。
じりじりと、ホントにじりじりとクレッシェンドして行くうちに、ティンパニの隣のヒトが叩いてるんだって分かったけれども、それでもまだまだピアニッシモ。
金縛り状態にからだが耐え切れなくって、背中を濡らす脂汗。訪れることが分かってるクライマックスは、待てども待てども近くならない生殺し。
ほとんど拷問に近いのに、この場に居合わせた喜びをかみしめていて、目頭がツンと熱くなっていく。
ってマゾか? 俺。
ついにティンパニまで入ってクライマックスの後は、オーボエや、クラリネット、バスクラにファゴット。加瀬さんの二つ右にいた長いダブルリードはなんていうんだろう?(誰か知ってたら教えてください)華麗なソロの応酬で。だけど合間のホルンの不協和音でイかせてくれなかったりするんだよね。
あと、ラッパのミュートがとっても効果的で、目も耳も楽しみました。
って長々書いてきたけど、まだ1楽章なんだよね。
でも、これが好戦交響曲って、嘘だよね。戦争の描写だとしても、開戦前のキナ臭い、不安に満ちた様子。これ聴いて戦場行こう、って気にはならないでしょ、普通。
他の指揮者は知らないけれど、家のCDを普通に聴いてる分には、こういう不安な気分にはならないね。これがオオウエマジックだったらそれはそれは、ものすごい。
2楽章、3楽章は一息つけるくらいは普通で、もう後一押しで嗚咽必至の生殺し状態からも立て直すことが出来た。
とはいえどこから4楽章なのか良くわかなかったんだけど、誰かのアラームが鳴っちゃったころ?
4楽章もまた不安なんだけど、スネアの仕掛けがない分安心して盛り上がれる。弦楽アンサンブルになるブレークのところは気持ちよかったな。でも今度はハープの不協和音が。
弦楽アンサンブルいいんだけど、若いコンマスは疾るはしる。唄うの疾りたがって、次のフレーズの「ガッ」って言う入りが一人だけ速いことが何回もあったよ。っていうかコンマスなんだからみんながついて行けよ。ソロは危なげなかったけど。って唄うソロじゃなかったけどね。
そしてフィナーレはもう、センプレ大盛り上がり。大音響で頭が朦朧としてくるね。トランス状態。
驚いたことに、チューバを挟んで左右のトロンボンは、譜面が違うんだね。なんと6th Trbまであるってこと? ってことはラッパも? え、ホルンも? 良くわかんないや。
もうトランスで酸欠で口ぱくぱくしてるのに、ホントのコーダはさらに一段階突き抜けて。
いやあ、楽しかったな。
プログラムにも載ってたけど、このごろみんなフライングの拍手にすごい神経質なんだけど、そんなことどうでもいいじゃない、っていうくらい楽しかった。今日はフライング、ってほどじゃなかったしね。
僕は、しばらくぼおっとして拍手も出来なかったけどね。
オオウエエイジが拍手を受ける。どうだ、ざまあみろっていう顔で拍手を受ける。どうだ、いいオケだろうっていう顔で拍手を受ける。単純なことなんだけど、オオウエエイジが誇りに思うオケを俺たちは持ってるんだぞって、すごい嬉しい瞬間。
カーテンコール。
オオウエエイジがファゴットを立たせる。フルートを立たせる。オーボエを立たせる。
そして、オオウエエイジがスネアドラムを立たせる。わき起こるブラボー。曲に対してとおんなじくらいのブラボー。当たり前だよね。ヒーローだもん。
それからもソリスト、パートを丁寧に立たせて、最後にコンマスを立たせた。僕はここだけは拍手できなかったけど。
全員を立たせて、真ん中で満足げなオオウエエイジ。
カーテンコールはその後もなかなかやまなくって。1楽章での脂汗が、心地よい汗になるまで拍手を続けたよ。
そうそう、来場時にホールの隣にフォンテックのバンが停まってた。ステージにはラジオ用にしては豪華なマイクが並んでいたから、録音してるのかな。オオウエ/大フィルはエクストンじゃないのかな。
それはいいけど、録音で聴くかな、レニングラード。
2004年2月13日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第375回定期演奏会
大植英次:指揮
長原幸太:客演コンサートマスター
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ショスタコーヴィッチ:交響曲 第7番 レニングラード
オオウエエイジ就任一年目、10回の定期演奏会のうち4回をオオウエエイジが振ったのだけれども、今回がその4回目。そして日曜日以来、5日ぶりのオオウエエイジ。
日曜はファミリーコンサートだったから、ちまちました曲をたくさん演奏したのだけれども、今回はひさびさ、大曲一曲勝負。聴く方も気合いが入るよね。
僕の持っているショスタコは、バルシャイの交響曲全集。ショスタコの場合は交響曲と言っても伝統的なフォーマットに乗っていないことが多くって、比較的伝統的な4番から9番くらいをBGMに連続演奏することがあるくらいかな。今回の7番も、この2週間くらいで何回かBGMにした程度。派手な曲だな、っていうくらいのイメージを抱いて、2週間ぶりのシンフォニーホール。
前回は1日目に変わってもらったから、ひさびさの通し席。別に思い入れはないのだけれども。
ぎりぎり近くに入ったホール。ステージではラッパの音だしが金切り声を上げていて。
プログラムにざっと目を通してたらもうコンマス入場。
プログラムしまってステージ見ると。ちょっとびっくり。
この前もおっきい編成でなんて書いたけど、それとは桁違いな編成。ホルン7は驚かないけれども、ラッパ6、トロンボンは、チューバを挟んで3、3の6。変な並び方やなあ、アシやろか。パーカッションも7。ハープ2にピアノ。木管もコントラファゴットからバスクラから、もうずらり。
レニングラードやからね。いけいけ好戦交響曲なんやろか。
驚いているうちに入ってきたコンマスは、日曜に引き続き若いあんちゃん。ゲストコンマスってプログラムにも載ってた。梅沢さんが隣にいるから一安心。にいちゃんコンマスは緊張してるのか、どことなくぎこちなくチューニングを済ませて。
9割以上埋まったホールに、オオウエエイジが入ってきた。
いつもの通り、さわやかな笑顔を振りまいて、レニングラードが始まった。
僕は、この曲を好きかと言われたら、迷うよ。
うなりを上げる弦楽器で始まったこの曲は、なんていうんだろう、気持ちよくない。もちろん総勢20人のブラスは吼えるし、ティンパニも強烈なんだけど、爽快じゃない。
全音符で突っ張る不協和音。急に弦楽だけのアンサンブルになり、ビートを失う頼りなさ。そして推定ピアノ36個級のピアニッシモでボレロのようにリズムを刻むスネアドラム。
どれもこれもが、不安と不快をかき立てて、夢見心地にはしてくれない。
でも、耳をふさげない、目を逸らせない。息も出来ない緊張感に引きずり込まれていく。
圧巻はスネアドラム。最初、袖でたたいてるのかと思った。7人並んだパーカッション、誰も動いてないんだもん。誰が叩いてるんだろう、って目は探すけれども、誰も動かない。カーテン3枚の向こう側で叩いてるくらいの、微かな音量、でもクリアな音。
延々と続くスネアドラム。観客に身じろぎを許さない緊張感。
じりじりと、ホントにじりじりとクレッシェンドして行くうちに、ティンパニの隣のヒトが叩いてるんだって分かったけれども、それでもまだまだピアニッシモ。
金縛り状態にからだが耐え切れなくって、背中を濡らす脂汗。訪れることが分かってるクライマックスは、待てども待てども近くならない生殺し。
ほとんど拷問に近いのに、この場に居合わせた喜びをかみしめていて、目頭がツンと熱くなっていく。
ってマゾか? 俺。
ついにティンパニまで入ってクライマックスの後は、オーボエや、クラリネット、バスクラにファゴット。加瀬さんの二つ右にいた長いダブルリードはなんていうんだろう?(誰か知ってたら教えてください)華麗なソロの応酬で。だけど合間のホルンの不協和音でイかせてくれなかったりするんだよね。
あと、ラッパのミュートがとっても効果的で、目も耳も楽しみました。
って長々書いてきたけど、まだ1楽章なんだよね。
でも、これが好戦交響曲って、嘘だよね。戦争の描写だとしても、開戦前のキナ臭い、不安に満ちた様子。これ聴いて戦場行こう、って気にはならないでしょ、普通。
他の指揮者は知らないけれど、家のCDを普通に聴いてる分には、こういう不安な気分にはならないね。これがオオウエマジックだったらそれはそれは、ものすごい。
2楽章、3楽章は一息つけるくらいは普通で、もう後一押しで嗚咽必至の生殺し状態からも立て直すことが出来た。
とはいえどこから4楽章なのか良くわかなかったんだけど、誰かのアラームが鳴っちゃったころ?
4楽章もまた不安なんだけど、スネアの仕掛けがない分安心して盛り上がれる。弦楽アンサンブルになるブレークのところは気持ちよかったな。でも今度はハープの不協和音が。
弦楽アンサンブルいいんだけど、若いコンマスは疾るはしる。唄うの疾りたがって、次のフレーズの「ガッ」って言う入りが一人だけ速いことが何回もあったよ。っていうかコンマスなんだからみんながついて行けよ。ソロは危なげなかったけど。って唄うソロじゃなかったけどね。
そしてフィナーレはもう、センプレ大盛り上がり。大音響で頭が朦朧としてくるね。トランス状態。
驚いたことに、チューバを挟んで左右のトロンボンは、譜面が違うんだね。なんと6th Trbまであるってこと? ってことはラッパも? え、ホルンも? 良くわかんないや。
もうトランスで酸欠で口ぱくぱくしてるのに、ホントのコーダはさらに一段階突き抜けて。
いやあ、楽しかったな。
プログラムにも載ってたけど、このごろみんなフライングの拍手にすごい神経質なんだけど、そんなことどうでもいいじゃない、っていうくらい楽しかった。今日はフライング、ってほどじゃなかったしね。
僕は、しばらくぼおっとして拍手も出来なかったけどね。
オオウエエイジが拍手を受ける。どうだ、ざまあみろっていう顔で拍手を受ける。どうだ、いいオケだろうっていう顔で拍手を受ける。単純なことなんだけど、オオウエエイジが誇りに思うオケを俺たちは持ってるんだぞって、すごい嬉しい瞬間。
カーテンコール。
オオウエエイジがファゴットを立たせる。フルートを立たせる。オーボエを立たせる。
そして、オオウエエイジがスネアドラムを立たせる。わき起こるブラボー。曲に対してとおんなじくらいのブラボー。当たり前だよね。ヒーローだもん。
それからもソリスト、パートを丁寧に立たせて、最後にコンマスを立たせた。僕はここだけは拍手できなかったけど。
全員を立たせて、真ん中で満足げなオオウエエイジ。
カーテンコールはその後もなかなかやまなくって。1楽章での脂汗が、心地よい汗になるまで拍手を続けたよ。
そうそう、来場時にホールの隣にフォンテックのバンが停まってた。ステージにはラジオ用にしては豪華なマイクが並んでいたから、録音してるのかな。オオウエ/大フィルはエクストンじゃないのかな。
それはいいけど、録音で聴くかな、レニングラード。
2004年2月13日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第375回定期演奏会
大植英次:指揮
長原幸太:客演コンサートマスター
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ショスタコーヴィッチ:交響曲 第7番 レニングラード
オオウエエイジ@市役所 arch.4 ― 2004年02月07日
シティホールフェスティバルって、聞かない名前だよね。オオウエエイジも、この前いずみホール満員にして、来週レニングラードだけど、今週って何? っていう人も多いのかと思うんだけど。
これは、大阪市役所のホールでやったコンサートなんだ。土曜日曜で、土曜日は咲くやこの花賞って言う、大阪の芸能新人賞みたいなやつの表彰式もあったらしいんだけど、僕が行ったのは日曜日だから、ホントにただのコンサート。
どっかのホームページで募集しててね、応募して当たったら当日千円払って入ってください、っていうコンサート。
大阪市役所って、立派なんだよ。このごろ仕事で淀屋橋から梅田まで、御堂筋を歩くことがあって初めて見たんだけど、なんだこりゃ。政令指定都市とは言え、たかが市役所か、これっていうくらい立派。
僕も住んでる大阪市の財政を考えると複雑だけど(だいたい区役所あるのに市役所って何?)、まあ中に入れてくれるっていうんなら入ってみましょう話題までに。
ってことで行って来ました。
ちょっとはやく、会場の少し前についたんだけど、お客さんははやくも長蛇の列。自由席だからしょうがないけど、市役所のホールなんてどこで聴いたっておんなじだって、っておれも早く来てるのか。
並んでるお客さんを横目に、楽器を担いだ楽団員さんもゾクゾクご来場。まったくリハする気はないのね。まあ昨日とおんなじプロだしね。
市役所玄関ホールって言うのは、なんと玄関ロビーとは別なんだよ。普段何に使ってるのか知らないけれど、高い天井にはシャンデリアが輝き、二階のバルコニー席などもあったりしてダンスフロア風。そこで、昼間の公演だからスーツにネクタイの団員さんが音出ししてた。あれ、どこで着替えたんだろう。
会場は超満員なんだけど、定期よりも平均年齢高いね。エルダークラブとかそういうところにチケットばらまいたんだね、きっと。普段縁がないヒトに聴いてもらうには絶好の機会だもんね。
狭いステージに、ちゃんとした人数並んだオケ。そして出てくるオオウエエイジ。曲を始める前に、客席を向いてしゃべるオオウエエイジ。
「この曲は、4つの楽章で出来ています。はやいの、遅いの、少し速いの、とっても速いの。4つで一つの曲です。では、聞いてください」
と言って始まったモーツァルトは、2日前にいずみホールでもやったやつ。僕は聴いていないのだけれども、満員音連おめでとう。オオウエエイジのモーツァルトはさぞかし楽しいんだろうと思いきや、これがあんまり楽しくないんだよね。何がなんなのかよく解らないんだけど、たぶんヴァイオリンがよく聞こえないせいで艶がないのかな。ホールのせいだと思うけど。
そうそう、ヴァイオリンと言えば、なんと今回レンタルバンマス。しかも若い、20代。つんつん頭の青年でした。彼は後でソロも聴かせてくれるのだけれども、それはその時に。
そうそうモーツァルト。たぶん音響のせいであんまり乗れないところに、長いんだよね、ジュピター。しかも客席正面にはでっかい時計があって、いやでも曲の長さに目がいく。おんなじモーツァルトでももうちょっと客層を考えて、短くて華やかなやつもあったのでは、と思ってしまいました。みんなこくりこくりしてたしね。
オオウエエイジの指揮は相変わらずなんだけど、客層を意識してサービス満点。半身をそらせて客席にまで目を向けるし、4楽章始める時にはちゃんと指で4だよって教えてくれる。こういう情操教育にはもってこいのヒトだね。
休憩の後は、さらにステージ上は大混雑。弦はさすがに少ないけれど、バーンスタインとチャイコで管は普通にあったね。明日から定期のリハなのにご苦労様。
後半はマイクを準備したオオウエエイジ。愛をテーマに曲を集めました。と言いつつキャンディード。たのしー。
でもラッパが少し弱い。ひな壇ないし、ホールのせいなんだろうけどね。ホルンとビオラは良く響いてたから、音域によって変わるのかな。
お次はチャイコのロミジュリ。ロミジュリと言えばプロコフィエフという私は、たぶん初めて聴くんだけど、これいいね。チャイコの、どの曲もおんなじな盛り上がり方と、辟易するようなロマンティシズムがロミオとジュリエットに良くあっていて、めちゃめちゃ面白かった。
それから、若いコンマス君のソロでタイスの瞑想曲。さんざんヴァイオリンは聴こえないホールだといいながら心苦しいけど、音量小さいよ。もっと自信持ってぶんぶん弾かなくっちゃ。あくまでも私見だけど。
そして、
「オペラってなんか難しそうなんですけど、基本的には2種類しかないんです。結婚して幸せに終わるやつと、みんな死んで不幸に終わるやつと」と言う名解説で始まったファランドール。もうファミリーコンサートの王道、って感じで大満足でした。
アンコールはウィリアムテル。
オオウエエイジの小品集って、そんなにたくさん見られるモノじゃないからね。すごく得したコンサートでした。
でも、こういうコンサートは、若い人たちに見せてあげて欲しいなあ。中高のブラバンに案内配るとか。
それから、せめて来週の定期のチラシ入れて、チケットもそこで売ったら良かったのに。でもお役所だから出来ないのかな。
シティホール、これからも有効に使ってね。
2004年2月7日
シティホールフェスティバル
大植 英次:指揮
大阪フィル
大阪市役所玄関ホール 自由席
モーツァルト:交響曲 第41番 ジュピター
バーンスタイン:キャンディード 序曲
チャイコフスキー:幻想序曲 ロメオとジュリエット 抜粋
マスネ:タイスの瞑想曲
ビゼー:アルルの女 より ファランドール
en ロッシーニ:ウィリアムテル 序曲
これは、大阪市役所のホールでやったコンサートなんだ。土曜日曜で、土曜日は咲くやこの花賞って言う、大阪の芸能新人賞みたいなやつの表彰式もあったらしいんだけど、僕が行ったのは日曜日だから、ホントにただのコンサート。
どっかのホームページで募集しててね、応募して当たったら当日千円払って入ってください、っていうコンサート。
大阪市役所って、立派なんだよ。このごろ仕事で淀屋橋から梅田まで、御堂筋を歩くことがあって初めて見たんだけど、なんだこりゃ。政令指定都市とは言え、たかが市役所か、これっていうくらい立派。
僕も住んでる大阪市の財政を考えると複雑だけど(だいたい区役所あるのに市役所って何?)、まあ中に入れてくれるっていうんなら入ってみましょう話題までに。
ってことで行って来ました。
ちょっとはやく、会場の少し前についたんだけど、お客さんははやくも長蛇の列。自由席だからしょうがないけど、市役所のホールなんてどこで聴いたっておんなじだって、っておれも早く来てるのか。
並んでるお客さんを横目に、楽器を担いだ楽団員さんもゾクゾクご来場。まったくリハする気はないのね。まあ昨日とおんなじプロだしね。
市役所玄関ホールって言うのは、なんと玄関ロビーとは別なんだよ。普段何に使ってるのか知らないけれど、高い天井にはシャンデリアが輝き、二階のバルコニー席などもあったりしてダンスフロア風。そこで、昼間の公演だからスーツにネクタイの団員さんが音出ししてた。あれ、どこで着替えたんだろう。
会場は超満員なんだけど、定期よりも平均年齢高いね。エルダークラブとかそういうところにチケットばらまいたんだね、きっと。普段縁がないヒトに聴いてもらうには絶好の機会だもんね。
狭いステージに、ちゃんとした人数並んだオケ。そして出てくるオオウエエイジ。曲を始める前に、客席を向いてしゃべるオオウエエイジ。
「この曲は、4つの楽章で出来ています。はやいの、遅いの、少し速いの、とっても速いの。4つで一つの曲です。では、聞いてください」
と言って始まったモーツァルトは、2日前にいずみホールでもやったやつ。僕は聴いていないのだけれども、満員音連おめでとう。オオウエエイジのモーツァルトはさぞかし楽しいんだろうと思いきや、これがあんまり楽しくないんだよね。何がなんなのかよく解らないんだけど、たぶんヴァイオリンがよく聞こえないせいで艶がないのかな。ホールのせいだと思うけど。
そうそう、ヴァイオリンと言えば、なんと今回レンタルバンマス。しかも若い、20代。つんつん頭の青年でした。彼は後でソロも聴かせてくれるのだけれども、それはその時に。
そうそうモーツァルト。たぶん音響のせいであんまり乗れないところに、長いんだよね、ジュピター。しかも客席正面にはでっかい時計があって、いやでも曲の長さに目がいく。おんなじモーツァルトでももうちょっと客層を考えて、短くて華やかなやつもあったのでは、と思ってしまいました。みんなこくりこくりしてたしね。
オオウエエイジの指揮は相変わらずなんだけど、客層を意識してサービス満点。半身をそらせて客席にまで目を向けるし、4楽章始める時にはちゃんと指で4だよって教えてくれる。こういう情操教育にはもってこいのヒトだね。
休憩の後は、さらにステージ上は大混雑。弦はさすがに少ないけれど、バーンスタインとチャイコで管は普通にあったね。明日から定期のリハなのにご苦労様。
後半はマイクを準備したオオウエエイジ。愛をテーマに曲を集めました。と言いつつキャンディード。たのしー。
でもラッパが少し弱い。ひな壇ないし、ホールのせいなんだろうけどね。ホルンとビオラは良く響いてたから、音域によって変わるのかな。
お次はチャイコのロミジュリ。ロミジュリと言えばプロコフィエフという私は、たぶん初めて聴くんだけど、これいいね。チャイコの、どの曲もおんなじな盛り上がり方と、辟易するようなロマンティシズムがロミオとジュリエットに良くあっていて、めちゃめちゃ面白かった。
それから、若いコンマス君のソロでタイスの瞑想曲。さんざんヴァイオリンは聴こえないホールだといいながら心苦しいけど、音量小さいよ。もっと自信持ってぶんぶん弾かなくっちゃ。あくまでも私見だけど。
そして、
「オペラってなんか難しそうなんですけど、基本的には2種類しかないんです。結婚して幸せに終わるやつと、みんな死んで不幸に終わるやつと」と言う名解説で始まったファランドール。もうファミリーコンサートの王道、って感じで大満足でした。
アンコールはウィリアムテル。
オオウエエイジの小品集って、そんなにたくさん見られるモノじゃないからね。すごく得したコンサートでした。
でも、こういうコンサートは、若い人たちに見せてあげて欲しいなあ。中高のブラバンに案内配るとか。
それから、せめて来週の定期のチラシ入れて、チケットもそこで売ったら良かったのに。でもお役所だから出来ないのかな。
シティホール、これからも有効に使ってね。
2004年2月7日
シティホールフェスティバル
大植 英次:指揮
大阪フィル
大阪市役所玄関ホール 自由席
モーツァルト:交響曲 第41番 ジュピター
バーンスタイン:キャンディード 序曲
チャイコフスキー:幻想序曲 ロメオとジュリエット 抜粋
マスネ:タイスの瞑想曲
ビゼー:アルルの女 より ファランドール
en ロッシーニ:ウィリアムテル 序曲
オオウエエイジのブラームス arch.3 ― 2003年10月31日
ふう。
偶然とは言え、一週間に三回も重なると、大変だね。時間を作るのもそうだし、こうやって書くのもそうなんだけど、何よりもわくわくする気持ちを持っていくのが、ね。
一週間くらい前から日程を気にして、ちょっと予習用のディスクでも引っ張り出して。睡魔に妨げられないように睡眠時間を調節して。耳を慣らすためにiPodを耳から外して。
そういう儀式めいたこと、すっ飛ばして気がついたらホールの席に座ってる、みたいなね。なんかもったいない。
とはいえオオウエエイジだからね。予習はコバケンのブル8に続けて聴いた朝比奈・親日。ブラ2ってあんまりよく知らないんだけど。
いつものことだけれども、メインのブラ2だけは気にしてたんだけど、前座が何だか全然知らなかった。アメリカもの? そうだったんだ。
復活、幻想とお祭りものが続いて、やっとドイツもの。オオウエエイジの真価、見届けますって感じだと思ったんだけど、そうでもないのかな。
まあいいや、曲全然知らないから、聴いてから考えよう。
一曲目は、なんとタンゴ。しかもアコーディオン入り。もちろんオーケストラって、タンゴみたいなキレのいい音楽を演奏するための器じゃないからね、本場のタンゴ、っていうわけにはいかないけれど、トラで入ったアコーディオンとサックスのおかげで楽しい音楽だったね。アルトはクラの持ち替えだったのかな。
驚いたのは、アコーディオンの音量。メゾピアノの弦がブレークしてソロになるんだけど、全然貧弱な感じがしない。チープな音の感じがいいんだなあ。奏者の佐藤さんは、当たり前だけどクラッシック畠ではなくって、CHEMISTRYとか中島みゆきなんかともやってるらしい。
曲は、三曲の組曲だからって油断してたらすぐに終わっちゃった。もったいない。もっと聴いていたかったな。
コンチェルトっていう訳じゃないからか、アコーディオンにはそんなに敬意の払われない拍手のあと。
ヴァイオリン協奏曲。
竹澤さんのヴァイオリンは、ブン廻すって訳でもないんだけど、シンフォニーの二階席まで十分届いてきた。曲のことはあんまり覚えてないんだけど。
何度目かのカーテンコールで、アンコールのソロ。クライスラーってアメリカ人? この演奏、すごくよかったよ。ソロの小品っていうか抜粋なんだけど、100%個人芸で観客を釘付け。いろんな技を繰り出すんだけど、どこまでも心地いい、唄。コンチェルトもよく唄ってたけど、こっちの方がもうけものだったな。
それも含めて長いカーテンコールでね。あ、これから休憩なんだ、って。
ホワイエが混んでたから、外出券もらって外でコーヒー飲んで。
さて、ブラームス。
2番って、朝比奈さんで聴いてるな、そういえば。あんまり印象に残ってないけれど。これは僕の勉強不足なんだろうね。
ブラームスって、つきあい方がむつかしいよね。イメージ的には古典派の権化っていう感じで、クラッシック音楽のメインストリートなんだけど、生で聴くと、もう楽しくてうきうきわくわく。
だから、アメリカもののあとのブラームスって、ほんとは違和感ないんだけどね。イメージ的にはちょっと違和感。
というわけで、オオウエエイジのブラームスは、実はマーラー、ベルリオーズの流れから外れるものでも何でもなくって。そのまんまの完全燃焼系。
最初はふんぞり返って眺めてたんだけどね。気がついたら前のめりにのめり込んでいた。ホント、楽しい。
オオウエエイジの操る大フィルは、とっても精巧なアンサンブルで。ホルンをはじめとするソロものびのび吹きやすそう。その反面、チェロを前面に出したどっしりとした響きっていうのが感じられないんだよね。今までは曲のせいかな、と思っていたのだけれども。ブラームスでもそうじゃなかったら、それは意識的にそうしているんだろうなあ。ちょっと寂しい。
そんなことは、束の間よぎっただけなんだけどね。もうオオウエエイジに好き放題もみくちゃにされてただけだから。
速くも定番となった、カーテンコール。ソリストを、パートを立たせて、何度も何度も拍手に応じるオオウエエイジ。観客一人一人の目をのぞき込むオオウエエイジ。
ホント、役者やね。
ブルックナーかベートーヴェン。はやく聴きたいな。
2003年10月31日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第372回定期演奏会
大植英次:指揮
竹澤恭子:ヴァイオリン
佐藤芳明:アコーディオン
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ルジェント:ヴァレンティーノ・ダンス
バーバー:ヴァイオリン協奏曲
en. クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ、カプリース
ブラームス:交響曲 第2番
偶然とは言え、一週間に三回も重なると、大変だね。時間を作るのもそうだし、こうやって書くのもそうなんだけど、何よりもわくわくする気持ちを持っていくのが、ね。
一週間くらい前から日程を気にして、ちょっと予習用のディスクでも引っ張り出して。睡魔に妨げられないように睡眠時間を調節して。耳を慣らすためにiPodを耳から外して。
そういう儀式めいたこと、すっ飛ばして気がついたらホールの席に座ってる、みたいなね。なんかもったいない。
とはいえオオウエエイジだからね。予習はコバケンのブル8に続けて聴いた朝比奈・親日。ブラ2ってあんまりよく知らないんだけど。
いつものことだけれども、メインのブラ2だけは気にしてたんだけど、前座が何だか全然知らなかった。アメリカもの? そうだったんだ。
復活、幻想とお祭りものが続いて、やっとドイツもの。オオウエエイジの真価、見届けますって感じだと思ったんだけど、そうでもないのかな。
まあいいや、曲全然知らないから、聴いてから考えよう。
一曲目は、なんとタンゴ。しかもアコーディオン入り。もちろんオーケストラって、タンゴみたいなキレのいい音楽を演奏するための器じゃないからね、本場のタンゴ、っていうわけにはいかないけれど、トラで入ったアコーディオンとサックスのおかげで楽しい音楽だったね。アルトはクラの持ち替えだったのかな。
驚いたのは、アコーディオンの音量。メゾピアノの弦がブレークしてソロになるんだけど、全然貧弱な感じがしない。チープな音の感じがいいんだなあ。奏者の佐藤さんは、当たり前だけどクラッシック畠ではなくって、CHEMISTRYとか中島みゆきなんかともやってるらしい。
曲は、三曲の組曲だからって油断してたらすぐに終わっちゃった。もったいない。もっと聴いていたかったな。
コンチェルトっていう訳じゃないからか、アコーディオンにはそんなに敬意の払われない拍手のあと。
ヴァイオリン協奏曲。
竹澤さんのヴァイオリンは、ブン廻すって訳でもないんだけど、シンフォニーの二階席まで十分届いてきた。曲のことはあんまり覚えてないんだけど。
何度目かのカーテンコールで、アンコールのソロ。クライスラーってアメリカ人? この演奏、すごくよかったよ。ソロの小品っていうか抜粋なんだけど、100%個人芸で観客を釘付け。いろんな技を繰り出すんだけど、どこまでも心地いい、唄。コンチェルトもよく唄ってたけど、こっちの方がもうけものだったな。
それも含めて長いカーテンコールでね。あ、これから休憩なんだ、って。
ホワイエが混んでたから、外出券もらって外でコーヒー飲んで。
さて、ブラームス。
2番って、朝比奈さんで聴いてるな、そういえば。あんまり印象に残ってないけれど。これは僕の勉強不足なんだろうね。
ブラームスって、つきあい方がむつかしいよね。イメージ的には古典派の権化っていう感じで、クラッシック音楽のメインストリートなんだけど、生で聴くと、もう楽しくてうきうきわくわく。
だから、アメリカもののあとのブラームスって、ほんとは違和感ないんだけどね。イメージ的にはちょっと違和感。
というわけで、オオウエエイジのブラームスは、実はマーラー、ベルリオーズの流れから外れるものでも何でもなくって。そのまんまの完全燃焼系。
最初はふんぞり返って眺めてたんだけどね。気がついたら前のめりにのめり込んでいた。ホント、楽しい。
オオウエエイジの操る大フィルは、とっても精巧なアンサンブルで。ホルンをはじめとするソロものびのび吹きやすそう。その反面、チェロを前面に出したどっしりとした響きっていうのが感じられないんだよね。今までは曲のせいかな、と思っていたのだけれども。ブラームスでもそうじゃなかったら、それは意識的にそうしているんだろうなあ。ちょっと寂しい。
そんなことは、束の間よぎっただけなんだけどね。もうオオウエエイジに好き放題もみくちゃにされてただけだから。
速くも定番となった、カーテンコール。ソリストを、パートを立たせて、何度も何度も拍手に応じるオオウエエイジ。観客一人一人の目をのぞき込むオオウエエイジ。
ホント、役者やね。
ブルックナーかベートーヴェン。はやく聴きたいな。
2003年10月31日
大阪フィルハーモニー交響楽団 第372回定期演奏会
大植英次:指揮
竹澤恭子:ヴァイオリン
佐藤芳明:アコーディオン
ザ・シンフォニーホール 2階BB列31番 A席
ルジェント:ヴァレンティーノ・ダンス
バーバー:ヴァイオリン協奏曲
en. クライスラー:レチタティーヴォとスケルツォ、カプリース
ブラームス:交響曲 第2番