メイル from 音大生2008年01月11日

 昨日アップした文章はね、僕のホームページに、ずいぶん昔に載っけた文章で。
 僕のHPの中では、三番目に人気のあるページなんだよね。もちろん、アクセス数は微々たるものなのだけれども。
 
 もう時効になるくらいの昔にね、多分このページをみたであろう人からメイルをもらったことがあるんだ。
 その人は、自称音大生で。
 もう時効だから、一部引用しちゃうけれど。
「今、ジャズを授業でとっていて、明日その授業のテストで「スイングジャズが広く社会に受け入れられポピュラーであったのに対して、モダンジャスは音楽家のための音楽として、音楽家と社会の関係に大きな変化をもたらしたが、それはどういうことか説明せよ」という課題が出たのですが、全くわからなくて・・・。お手数をおかけしますが、教えていただければすごく嬉しいです。」

 もちろん、大学生のカンペづくりに協力する義理はないのだけれど。
 でも、おもしろい出題だよね。ビックバンドの隆盛と衰退、代わりに出てきたモダンジャズっていう僕の文章を見つけたのも、ある意味偉いし。(なんてったってマイナーなページだからね)だから、僕の考えた答えをメイルに書いたんだ。もちろん、単位を取るのは僕じゃないから、無責任の放言なのだけれど。つまりはここに載っけている文章と一緒、ってことになるね。
 それを引用するね。
「スウィングジャズは、文字通り踊るための音楽として、社交の表舞台を彩っていた。
一方、モダンジャズは演奏者の多くが黒人であったこと、演奏場所がダンスホールやコンサートホールなどではなく、酒と密接に結びついたバーであったこと、そして、麻薬が業界を蝕んでいたことなどから、裏通りの音楽としてのイメージが定着した。この時期のアメリカでは未だ人種差別がまかり通っており、黒人と白人が同じバンドにいることはほとんど無く、(時を隔てても)同じ会場で演奏することもほとんど無かった。
 大人数で演奏するスウィングに比べ、少数のコンボと呼ばれるバンドで奏でられるモダンジャズは、ここの演奏者のイノベーションの意識が高く、エンターティメントを置き去りにして演奏上の先鋭にはしる傾向があった。
 この傾向から、コード進行に対する演奏技術は飛躍的な発展を短時間に遂げたが、反面一般の聴衆、特にコンサバなアメリカの聴衆には先鋭として広くは受け入れられなかった」
 
 でも、モダンジャズは結局、音楽家のための音楽だったのかな。
 モダンジャズが現役だった当時、一番売れたアルバムってなんなんだろう。リー・モーガンのThe Sidewinderなのかな。このまえ僕が紹介したマイルスのBitches Brewでないことは確かなのだけれども。
 
 僕の中で、popとrockの区分けとして、大衆のためのpop、自分のためのrockっていうのがあるのだけれど、結果として売れてしまったrockよりも、売れずに終わったモダンジャズの方が、よっぽどrockだったのかな。
 
 どうでもいいけれど、あの時メイルくれた子、無事に卒業できたのかしら。
 音楽のプロになっていても、ジャズを語って欲しくはないけど、ね(*^_^*)。
 
 ただ、それだけのはなし。