木蘭とこぶし2008年03月23日

 突然だけれども。
 木蘭とこぶしって、似てるかな?
 どちらも、木に咲く白い花、ってくくれると思うのだけれども。そして、その花弁はぼってりと厚くって、額がない、本当にないのかどうかはよく知らないけれど、少なくともあんまり目立たない、よね。
 どちらも古臭い花、ってことでは一緒だよね。古臭いっていうのは、昭和30年代に流行りました、っていうのではなくって、何万年も前から変化していないんだろうなあ、っていう、そういう古臭さ。まあ、人間だってそう変わったわけではないのだろうけど、ね。
 
 あ、なんでこんな事思うのか、っていうとね。
 去年の、ちょうど今ごろ。ある人を木蘭に似てるな、って思うことがあって。他人と群れないで姿勢正しく凛としている、そういう人だったのだけどね。その人に、木蘭を歌った歌があるんだよ、っていったら、「未亡人の歌ですね」って。スターダストレビューの木蘭の涙を、その人が知っていたのか知らなかったのかは、今となっては確かめる術も無いけれど。そういえば、その人も喪服が似合う人だったなあ、って。
 今日、訪ねた場所にね、たまたまこぶしが咲いていて。もちろん木蘭はそんなに賑やかではないのだけど。木に咲く白い花を見ていたら、そんなことを想い出したよ。
 
 逢いたくて 逢いたくて
 この胸のささやきが
 あなたを捜している
 あなたを呼んでいる
 
 いつまでも いつまでも
 そばにいると言ってた
 あなたは嘘つきだね
 わたしを置き去りに
 
 せつない、歌だよね。
 
 なのだけれど。
 正直に白状するとね、僕は、心に思い浮かべられないんだよね、克明には。木蘭の花を、ね。
 
 だから、誰か教えてよ。
 僕が今日見たこぶしの花と、木蘭の花って、似ているのかな、似ていないのかな。