追悼 Jackie McLean2006年04月18日

 久しぶりにCD屋さんを覗いたらね。ジャッキー・マクリーンが亡くなったんだね。3月31日。享年73歳。
 
 ジャッキー・マクリーンってね、ジャズのアルト吹き。
 僕はハードブロウのジャズが好きだからね、アルトよりもテナーのほうを比較的よく聴くんだ。とはいえブラス吹きだから、テナーって言っても、ラッパとの2管のかた割れで聴くことが多いかな。そう考えると、アルトとブラスの2管って、ほとんど聴かないね。
 
 そんな僕だけど、ジャッキー・マクリーンだけは、ちょっと特別だったんだよね。
 アルトといえば、もちろん神様みたいなチャーリー・パーカーがいるんだけれども、僕にはちょっとぴんと来ない。って言うか唄の感じ取れないフレーズの洪水に、ちょっと引いちゃうんだよね。僕の中のアルトのイメージは、アート・ペッパー。決して感情を荒だてないリリカルな唄は、ウエストコーストジャズ=アルトサックス=アート・ペッパーって言う図式を定着させたよね。あくまで僕の中に。
 テナーになると、コルトレーンやブレッカー、それにジョージ・アダムスみたいなハードブロウ屋さんが多いんだけれども、アルトにはあんまりいないよね。だからウエストコーストなんだけれども。マウント富士で見たエリック・マリエンサルはアルトなのにブレッカーフレーズで叫びまくってて、なんかちょっと見苦しかったな。
 
 そんな中で、ジャッキー・マクリーンっていう人はね、ちょっと特別。よく鳴るんだ、楽器が。まるでテナーみたいに吹きまくる。でも、エリックやジョージ・アダムスみたいに下品にならない。あくまでアルトの音色、フレーズなんだよね。なんだろう、歌心、ってやつなのかな。
 最初に聴いたのが、有名な、マル・ウォルドロンのレフト・アローンっていう曲だったかな。20年くらい前にキャバレーって言う角川映画のCMでいやって言うくらい流れてたやつ。
 この曲はビリー・ホリディに捧げたバラードなんだけれどもね。僕は初めて知ったよ。バラードって、甘ったるい音色で吹かないんだね。ジャッキーも、この曲をまるでクビが3倍になったようなぶっとい音で吹く。あまくないんだけれど、切ない。これがジャッキーとの出会い。
 高校生の少ないお小遣いからは、とてもアルトのレコード買う余裕はなくって、ジャッキーのレコードも2,3枚くらいしか持ってないんだけれど。
 どれをとっても豪快に唄いまくるジャッキー。あの巨体にアルトが小さく見えるよね。
 とはいえ、ライブを見たことは、残念ながらないんだけどね。Mt. Fuji Jazz Fes.に僕が行くようになった89年からは、山中湖には来なくなっちゃったし。
 
 残念だったな。
 今日は、久しぶりに真空管アンプに灯を入れて、SWING SWANG SWINGIN' に針を落とそうかな。

 合掌