3D de リバイバル タイタニックとスター・ウォーズ2012年05月02日

 旧作の、3Dリバイバルが流行っているのかな。

 それとも、限られた映画と、それを作ったクリエイターに与えられた、特権なのかな。

 

 どっちか分からないけれど、とにもかくにも、この二本が公開されて、そして、観てきたよ。

 スターウォーズ・エピソード1 ファントム・メナス。

 そして、タイタニック。

 

 どちらも、いわずと知れた。

 観ずに死ねるか映画。

 

 3D映画って、古くはVHDの時代からあったし、IMAXや、ディズニーランドのキャプテンEOとかではずっと前からやっていたけれど。

 でも、普通の映画館で気軽に観られるようになったのは、やっぱりアバターからで。

 それが発掘した市場。それにともなって技術の方もどんどん進歩したんだよね。

 きっと。

 

 僕は、IMAXやキャプテンEOはもちろん観ていたけれど、普通の映画館で観たはじめての3Dは、アバターで。

 いや、その前にあゆのライブがあったのかな?

 とにかく、3Dのためにステレオカメラで撮影した映画を最初に観て。

 キャメロン監督の、安易な3Dかに対する疑問や、予告編で観たバイオハザードのちゃっちい3D画像などを見るにつけ。

 2Dで撮った映画は、3D化するものでは無いのではないか、と思っていたのだけれどもね。

 

 でも、やっぱり。

 ルーカスやキャメロンといった、最新技術を常に映画に取り込んで革命を起こしてきたクリエイターたちが、自らの責任で作った3D映像を観る機会。

 そして何より、劇場で観て、VHS、LG、DVD(バージョンが変わるごとに何度も)、BlueLay、BSデジタルと何度でも機会があるごとに観てきた大好きな映画。

 これを映画館で観ることが出来る機会。

 それはやっぱり、見逃せないよね。

 


 まずはスターウォーズ。

 エピソード4から6の、クラッシック三部作には及ばないけれどもね。劇場に2回見に行ってDVD,BlueLay、BSでやったハイビジョン版と、何回も観てきたおなじみの映画。

 全体的に、3D処理は理性的でね。ジャージャー・ビンクスが目の前に飛び出してくることもなければ、戦闘機の破片を思わずよけるようなこともほとんどなくって。

 それよりは、奥行き。

 SWの代名詞であろう、タイトルロール。字幕が漆黒の宇宙に吸い込まれて消えていく。その奥行き感。

 映画の公開前、QuickTimeで航海されてすり切れるほど観た予告編の、ナヴーの草原に並んだ陣営。

 せわしないチャンバラの迫力もそうなんだけれど、そういう景色の色調がSWで、それに集中して、違和感なく魅せるために3Dが効果的に使われていたんだよね。

 嬉しかったなあ。

 

 そして、そのSWにトレイラーが上映されていたタイタニックは、SWに比べるとちょっと立体感を演出しすぎなのかな、という印象を受けたんだよね。

 SWのパンフレットにも、タイタニックの方はもっと立体感を強調している、みたいな解説が載っていたしね。

 

 だから、ちょっと怖かったのだけれど。

 でも、タイタニックだしね。それで見逃すのは、もったいなさ過ぎ、だよね。

 


 もう15年くらい前なのかな。

 3時間以上もあって、上映回数的には圧倒的に不利なのに、あれよあれよと世界の興行成績を塗り替えていった怪物映画。

 最初に観たときには、まだ若くて生意気でとんがっていたから、ただのラブコメ+パニック映画、とか思っていたのだけれど。

 それでも、VHS,LD,DVDを2種類、出るたびに買って。WOWOWとかでやっていて、チャンネルが合うたびに時間のある限り観て。

 最初からでなくても、どこから観ても30分だけでも面白い。何度観ても面白い。

 岩井俊二がなんかのインタビューで、「娯楽性しかないっていうけれど、娯楽映画ってそんな物。女子校生のリピーターで数を稼いでいるっていうけれど、娯楽の多い女子校生が何度も見に来る、そこを見習うべき」みたいなことをいっていて。ああ、素直に評価してもいいんだ。って。

 

 今回、久しぶりに映画館で観たけれど。

 3時間以上の映画なのに、急展開の連続と言えるほどの垂れなさ加減。

 何度も見ているのに、全然飽きない、画面の心地良さ加減。

 サラウンドの轟音と、奥行きを持った3Dの臨場感。

 テレビではのっぺりしてその大きさ故に逆にリアリティをなくしていたタイタニックそれ自体も、映画館で観るとやっぱり存在感と迫力があって。

 その中で、若いレオとケイトが走り回る。沈みゆく船の中で垣間見れる人々の大きさ、小ささ、やさしさ、姑息さ。

 

 最初に観た15年前から、僕が大人になったのか、変わらないのか分からないけれど。

 救命ボートに顔を隠して飛び乗る船舶会社の社長。それを観て見ぬ振りをする船員。最後の瞬間にホールの時計を合わせる設計者。抱き合う老夫婦。来世のしあわせを子供に語りけるお母さん。何度も解散し、その度に、他にすることがないからと演奏を続ける楽団員。

 迷子の幼子を抱き上げて、父親の振りをして救命ボートに乗り込む捨てられたフィアンセを含めてね。

 みんな、生きていて。みんな、愛おしかったよ。

 

 結局、3Dがどうとか、そういうことは関係なくてね。

 この、タイタニックという映画が、15年という年月を軽く飛び越えて。そして、この先何十年という年月も、軽く飛び越えて、名画と呼ばれることになるんだろうなあ。

 少なくとも、僕の中では。って。

 それだけを、確認したよ。

 もちろん、沈みゆく船頭に引きずられてそそり立つ船尾。その高さの臨場感。それは3Dならではのものなんだろうけどね。

 

 それよりも、これだけの時を置いてから、名画座の古びたフィルムではなくて、フルレストアした作品を、全国規模でみせてくれる。

 そういうイベントとしての3D化。大歓迎だな。

 

 いつか、デジタル配信があたり前になったら、デジタルの名画座が出来て。100人集まったら好きな映画をオンデマンドで上映する。

 そういう世の中になるのかな。

 

 やっぱり映画は、スクリーンで観なくちゃ、ね。

 

 ただ、それだけのはなし。



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